BRING BACK LATER 5
血気にけぶる剣の荒野で、アーチャーが守護者の働きに傷つくのを感じていた。
怒りも悲しみも苦しみも憤りも、吐き気すら飲み込んで耐える姿が今もシロウの脳裡には焼き付いている。
そんなアーチャーを傷つけるものは、僅かな可能性でも取り除いておきたい。
(俺が好きでいる。それだけで、いい……)
多くは望まない。
シロウには今があるだけでいい。
どのみち消えて無くなる存在であれば、刹那的に恋をする。
(この人への恋を、最期の証にしよう……)
誰にも知られることのないようにと、切なる想いは、密かにシロウの中で育てられることになった。
BRING BACK LATER 5 了(2017/3/24)
作品名:BRING BACK LATER 5 作家名:さやけ