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銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅱ

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「…でもそんな緊急時に2段階も必要でしょうか………」

ユキはそんなことを聞きながら(地球市民を守るための大統領が緊急時に地球外へ脱出するなんて無責任じゃないかしら?)と思った。ユキが無言になったので藤堂は大体の察しが付いた。

  「所詮…指示する側なのだよ。大統領は…。」(藤堂)
  「戦うのは私達で最前線に立つのはキミ達だ…私は大統領よりキミ達にこの施設が
   あることを知っておいて欲しい…。今日は発進のプロセスとそのパスワードを
   教えておくから決して人に教えないことと絶対に忘れないと…いいかね?ユキが
   不安に思っていることは私も不安に思っていることだ。もしもの時は私の事など
   どうでもいい。メインクルーとして行動しなさい。」

藤堂は静かにユキに語りかける。

  「私の予感だとそれは間もなくだと思っている。」(藤堂)
  「長官…」(ユキ)
  「いいな?これは命令だ。私よりメインクルーを選びなさい。ヤマトにメイン
   クルーが乗り込めば大丈夫だ。」

藤堂は少しすっきりした顔をした。


















  「兄さん!」

3ヶ月ぶりに進と守が再会した。残念ながらサーシアはいない。

  「進、久しぶりだな。元気だったか?…森さんも…。」(守)
  「えぇ。サーシアちゃんに会えなくて残念ですけど…軍用機じゃないから時間が
   かかったですよね?お疲れじゃないですか?」

守はイカルスからコロニーを経て月へ移動し一般の旅行者が乗る宇宙船で地球へ戻ってきた。

  「あぁ。この数年で一般の宇宙船も良くなったな。乗り心地よかったよ。軍用機じゃ
   うるさいしな。」(守)
  「宇宙船で食事しましたか?」(ユキ)
  「あぁ軽くね。ふたりは?」(守)
  「兄さんと一緒に食べようと思って(ふたりで見つめ合い頷きながら話す)な。」(進)
  「相変わらず仲良さそうだな。じゃ3人で飲みに行くか?」

守の一言で進は真田が通っていた居酒屋に連れて行った。





  「へぇ…真田も飲みに行くのか?」

友人をほとんどつくらず24時間ラボに詰めていた人間だったのに…と守がつぶやく。

  「僕もそうだけど島とか南部とか…メインクルーが帰還するとだいたい真田さんの
   とこに挨拶行くからその流れで飲みにってなるんだ。真田さんも予定がわかってる
   から予定空けといてくれるし。」

進が冷たいビールを飲む。

  「へぇ…」

いつも難しい顔をしてた真田しかイメージできない守

  「アルコールが入ると饒舌になるし。」(進)
  「それは否定しない。」(守)
  「イスカンダルから帰ったらそれが普通だったから…余り違和感ないけど確かに
   ヤマトに乗り込んだ最初のイメージから考えると一緒に飲んでるのって想像
   できないかも。」(進)
  「そう?私なんて月基地に行った時毎日一緒にご飯食べてたから余り違和感ないわ。
   すごく頼りがいのあるお父さんみたいで月基地行ったとき楽しかった!」(ユキ)
  「お父さん…」(守)
  「真田さんがお父さんだったらよかったのにって何度思ったかわかりません。」

断言するユキ

  「森さん…その真田と俺は同い年で…進の兄で…」

自分も父と言われそうでちょっと聞いてみる。

  「あ、そうでしたね!でも守さんが古代くんを見る目お父さんに近い感じしますよ?」

ユキがズバリという。

  「…そ…そうかな?(進を見ながら)こいつ俺と違って小さくて細くて女の子みたい
   だったからな…ちょっと保護者っぽい所があったかもな。」

そう言いながら進を見る目は父のように優しい。

  「私、一人っ子なのでお兄さんってすごい憧れてました。すごく小さかった頃母に
   "お兄ちゃん産んで!"ってお願いしたことあったそうです。古代くんと結婚したら
   守さんがお義兄さんになるんですよね!」

ユキが嬉しそうに話す。以前のことはなにもなかったと思わせるように。

  「ヤマトに乗って女の子みたいだった進が立派になったのを見て自分も年を取ったん
   だと実感したよ。この数年で随分カンが鈍ってるだろうから軍に戻ってなにが
   できるかわからないが…。」

守が言葉に詰まった理由はふたりも感じていることだ。

  「兄さんなら大丈夫だよ。ヤマトを降りてから真田さんと準備してきたんだろ?」

真田はラボに篭ってるようでアンテナはしっかり張ってる。

  「古代参謀かぁ…兄さんと一緒に仕事するのが夢だったから…。」

守が現役で飛んでたとき進はまだ訓練生だった。

  「内勤だからなんとも言えないがな…」

本当は守も飛びたいだろうと思ったが定期的に休みが取れる内勤を真田が藤堂に提案し承認され参謀職となった。サーシアに会いにいく時間を作るために。

2時間ほど飲んだあと3人は官舎に向かった