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銀河伝説 (新たなる旅立ちの後) Ⅱ

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<予感>

守が参謀に復帰してすぐに手がけたのは防衛設備の見直しだった。あの宇宙要塞が攻めて来るかもしれないと…その時真っ先に飛ぶのは進…進を守るために自分が何をするべきか。守はそれを常に考えていた。

命を削るように戦ってきた弟。自分がイスカンダルに残らなければあの白色彗星の戦いも随分違っただろう…そう思うと守は寝る間も惜しみ働いた。


今までの時間を取り戻すかのように












進の官舎にはあれ以来行っていない。
飲んだあと3人で官舎に戻り酔い醒ましのお茶を淹れてユキは独身寮へ戻っていったから一緒に暮らしていると思わなかった。ただ大きなベッドを見たときフライングしたのか?と思った程度だった。

しかし一夜明けて進が"寝室のクローゼットは絶対開けないで"と言ったのでおかしいと思い問い詰めると"僕の物じゃない見ちゃいけないものが入ってる"と言った。

僕のモノじゃない=森さんのモノ。
兄が見ちゃいけないモノ=僕も見ちゃいけないモノ≒下着??

時々泊まりに来る…それなりの仲なのだ…と判断した。
(…が後日軍に初出勤した日に軍用容認の事実婚状態であることを知る)






進は守が帰ってきた日、寝る前に保管してた守のマネーカードと両親のマネーカード、そして訓練生の時に守がくれた守のセカンドカードをテーブルに並べた。

  「兄さんが地下都市に置いてったカードと僕が訓練生の時に使ってた兄さんのカード。
   このカードのお陰で僕はお金に困ること一度もなかった。本当にありがとう。
   そのお礼言えないままでずっと心残りだったんだ。」

進がにっこり笑う。守はしばらくその3枚のカードを見つめていたが自分のカードだけ取り両親のカードとセカンドカードを進へ寄せた。

  「お前これから結婚するんだろ?結婚式とかお金がかかるんだからそれを使え。
   親のカードは親からのご祝儀だと思えばいい。このセカンドカードは俺からの
   ご祝儀だ。大事に使え。俺のカードは最初の給料が入るまで収入がないから
   コレは俺がもらっていいか?」

守が進に承諾を得るような事を言うので

  「だってもともと兄さんのお金だよ?お父さんのカードだってそのまんまだし…」(進)
  「結婚ってお金がかかるんだ。軍にいる間は官舎があるからいいが退役した後住む
   ところ探さないといけない。家を購入しても借りてもお金がかかる。」(守)
  「それは兄さんだって同じじゃないか。サーシアだっているし…」(進)
  「兄さんはいいんだ。サーシアだって大きくなれば嫁に行くだろうし…兄さんは
   兄さんの食いぶちがあればいいんだ。でも進は違う。これから家庭を持って
   家族を養って行く。その為には先立つものが必要だしそれがあるに越した事は
   ない。それに多分…」(守)
  「多分?」(進)
  「老後は真田と一緒に住んでるような気がするんだよなぁ…」

進はまさかそこで真田の名前が出てくると思わなかったので一瞬固まってしまったが真田がこれから所帯を持つこと想像できなかったのと守もスターシア以外の女性と再婚はと考えにくかったのでそれもありかもと思ってしまった。

  「真田ががっぽり(お金を)溜め込むだろう。だから兄さんは大丈夫だ。」

守はそう言って豪快に笑った。