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第二部 レーゲンスブルグ編1(74)であい

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「綺麗な背中だな〜!」

脱いだドレスの下から現れたユリウスの白い滑らかな背中にアレクセイの声がかかる。

「もう!あって向いててって言ったでしょう!?」

振り返ったユリウスの白い肌が一気に紅潮する。

「お!こっちの眺めも、絶景だなぁ」

ピンクに染まったユリウスの淡い胸元に又してもアレクセイが軽口を叩く。

「アレクセイ!!」

夜着を胸元に搔き抱きながら、真っ赤になったユリウスに、

「はいはい!見てません!見てませんよ〜。綺麗な背中とか可愛いおっぱいとか」

「もう!見てるじゃない!」

夜着に袖を通しベッドに詰め寄るユリウスの腕を掴み、ベッドに引っ張り込む。

「来いよ。ハニー」

そのままアレクセイが白い夜着姿のユリウスをぎゅっと抱きしめる。

アレクセイの懐に包まれたユリウスの身体の力がたちまち抜けていき、腕の中に全身を委ねる。

コットンの夜着を通して伝わるそんなユリウスの柔らかな身体の感触をアレクセイは腕の中で心ゆくまで堪能する。

〜〜〜〜〜〜

「疲れただろう?…どうだ?俺の国は」

耳元で囁かれる低く優しい声に、

「大丈夫…。ちょっと寒いけど、ステキな街だね」

と小さな声で返し、金の頭をアレクセイの胸元にすり寄せる。

「そうか…。今は、寒くないか?暖炉の薪を増やそうか?」

アレクセイの言葉にユリウスがフルフルと首を横に振る。

「ここは、暖かい。アレクセイの匂いとアレクセイの鼓動と、アレクセイの温もり…。ここ、大好き」
少しはにかみながら小さな声でそう言うと、アレクセイの胸に柔らかな頰をすり寄せた。

「特等席をお気に召して頂けて、光栄に存じます。今後ともどうぞご贔屓に」

おどけてそう言ったアレクセイは、ユリウスの金の頭のてっぺんから白い額、愛らしい鼻の頭、そして唇 と、キス責めにする。

その唇の感触のこそばゆさに、ユリウスが小さな笑い声をあげて首をすくめる。

「この部屋、不自由はないか?」

「うん。何にもないよ。こんなにステキなお部屋…生まれて初めてだ」
ー だって…あなたと、こんなに近くにいられる…。
消え入りそうな声で最後の一言を付け加えた言ったユリウスに

「ん?何だって?」

とアレクセイが聞き返す。

「ウフフ…。何でもな〜い」

「何だよ〜!こいつ!…まあ、いいや。近いうちに鏡の下に棚取り付けてやるな。ドレッサーとはいかないけど、便利になるだろう?」

「ホント?ありがとう!…アレクセイ…が…ぼく…に、優しく…してくれて…ゆ…め…みた…」

ユリウスの言葉がたどたどしくなって来て、最後の言葉が規則正しい寝息に取って代わる。

ー スー…。

「ったく。無邪気な寝顔しちゃってよ」
ー お休み。ハニー。いい夢を。

アレクセイは懐の中で安らかな寝息を立てているこの愛おしい妻の金の頭にもう一度そっと口付けた。