かんなぎ皇女・褐色の破壊神 壱ノ巻
天地が尋ねる。
「そのカミヤマトって言う人、その後どうしたの?」
「摩耶比売命皇女やトヨノ侍女を初め、多くの民がカミヤマトに感謝した。再び荒れ果てた嶺翁星を再建する為に二代目の皇王就任を勧めたのじゃ」
「それで、カミヤマトさんは?」
「残念ながら、受け入れを拒んだようじゃのぅ」
「えー!? どうして又!?」
カミヤマトが神高皇家の第二皇王となって梛木星は良くなった天地は想定外の展開に驚く。
「自身が皇女を殺してしまった事を後悔したからじゃよ。いくら皇女の暴走とは言えのぅ」」
「止む得ない事情なのに後悔するなんて、考え過ぎだよ」
「カミヤマトには、神高皇家に対する特別な思いを持っておってたか複雑な気持ちだったのじゃろぅ」
これが勝仁の語る『嶺翁星かんなぎ皇女伝説』の一説である。
嶺翁星を旅立ったカミヤマトはその後、行方知れずになっていると勝仁は言った。
皇女の身体を封印したカプセルも行方が分からないようだ。
勝仁は言う。
「あのカプセルが、他の文明が発達した星にだけは到着してなければいいのじゃが」と。
作品名:かんなぎ皇女・褐色の破壊神 壱ノ巻 作家名:kazusa