We can share the happiness.
アムロの動揺を他所にシャアの綺麗な顔が近付く気配を感じる。
そして、気付いた時には事は全て終わり、一糸纏わぬ状態で抱き締められていた。
『この流されやすい性格なんとかしなきゃなぁ…。』
今更ながらに反省するが後の祭りである。
小さく溜め息を漏らすと自分を抱き締めるシャアからクスリと笑いが漏れる。
「またくだらないことを考えているだろう?」
「うるさいよ!」
膨れるアムロの頬をシャアが両手で包み込み、己の頬をすり寄せる。
「ようやく君を身体ごと手に入れることが出来た。」
そう言いながら首筋に唇を寄せキュッと吸い付く。
「痛っ」
首筋に紅い痕を付けるとそれを舌で舐めもう一度軽くキスをする。
「何だか今こうしてここに…ネオ・ジオンにいるのが信じられないよ…。」
「また、ここにいてもいいのかと言う気か?」
シャアのその問いに首を横に振る。
「昨日、レズン少尉に会って思ったんだ。敵として戦い、遺恨が残っていてもきっといつか人は相入れる事が出来るのだと…。」
「…そうだな。我々も分かり合える事が出来た…。」
シャアはそっとアムロの唇にキスを落とす。
「こうして、みんなが幸せを共有する事が出来る様になると良いな…。」
「ああ、いつか互いに許し合える…そんな日が来ると願おう。」
「我々の様に…」と耳元で囁きながらシャアはまたアムロの身体を強く抱き締める。
人々の幸福な未来を夢見ながら…。
end.
2017.5.10.
この『We can share the happiness.』は
『I belong to you.』と『You belong to me.』の間くらいの時期の話になります。
『You belong to me.』でアムロがブライトに言った
「まぁ、そりゃ最初はかなり大変だったし、今も俺を恨んでる人は沢山いる…。でも、チョットずつだけど受け入れてくれる人も居るんだ。だから大丈夫だよ。」
と言うセリフの内容を書きたいなと思って書きました。
二人の幸福な未来に為にはこうして二人を認めてくれる存在が必要なのだと思ったので。
さて、次はどんなお話を書こうか…。
1年戦争時代のお話かそれともまたまた懲りずに『Lovin'you 』シリーズか…。
ここ2週間ほど家の方が立て込んでいてなかなか書けなかったので妄想だけが膨らんでいました。
もしよろしければ次のお話も読んでやってください。
それでは、ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。
koyuho
作品名:We can share the happiness. 作家名:koyuho