のび太のBIOHAZARD カテゴリーFの改造版 2
マルチパネルディスプレイやハイパワーパソコンで埋め尽くされ、それらが照明代わりとなっている部屋の中に、一人の男がいた。
「全く世話の焼ける奴だヨ」
モニターの前のイスに座る男が、手に持っているものを弄びながらひとりごちた。
「こんなものを部屋に残していくとはネ」
男は持っているものを頭上に掲げるようにして持ち上げる。
彼の手の中にあるのは、ジャイアンと太刀川が血眼になって探していたスペアポケットであった。
「だが、まぁいい。無事に私が回収したのだからネ。思わぬ邪魔が入って野比のび太の学習机は回収し損ねたが、今ごろは私の放った炎に焼かれている頃だろう」
そう言いながら、男はニィっと笑う。その口の中で、獅子舞の獅子のような総金歯が鈍い光沢を放った。
「さて、学校のほうはどうなっているかネ……?」
男はキーボードを叩いていくつかの映像をモニターに映し出した。
映像は全てのび太たちの学校の様子を撮らえていた。
「ふむ、“バイオゲラス”と戦うつもりのようだネ」
体育館へと向かうのび太、聖奈、咲夜の三人を確認した男は、おもむろにその映像を拡大した。
「だが、奴は“ケルベロス”や“ブレインディモス”とは訳が違う……せいぜい気をつけたまえヨ」
作品名:のび太のBIOHAZARD カテゴリーFの改造版 2 作家名:カテゴリーF