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のび太のBIOHAZARD カテゴリーFの改造版 2

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 調理室を出たのび太たちは、北側の資料室を調べ、“警備員の心得”と書かれたプリント(内容は原作のびハザのそれと全く同じものであるため割愛する)を見つけた後、校舎東側へと向かった。その道中に家庭科室、一年生の教室、制御室もあったが、家庭科室と制御室は鍵がかかっており、一年生の教室は扉が中から打ちつけられていて開かなかったため探索はしていない。

「……鍵はかかってません。入りましょう」

 のび太が図工室の扉を開け、聖奈と咲夜とともに中に入る。
 中にはゾンビが一体いたが、死体を食っている最中であったため三人には気づいていない。

「僕があのゾンビを不意討ちで倒すので二人は先に探索にとりかかってください」
「わかりました」
「了解」

 のび太は聖奈と咲夜をゾンビと逆方向の場所へ向かわせると、四次元カバンから包丁を取り出し、姿勢を低くして足音を立てずにゾンビに忍び寄る。

「ふんっ!」

 そして逆手で持った包丁をゾンビの後頭部めがけて勢いよく振り下ろした。

「ウァァァ……」

 包丁が頭に深々と突き刺さったゾンビは、呻き声を上げながら貪っていた死体に覆いかぶさるようにして倒れた。

「倒せたみたいだ。でも包丁が抜けなくなっちゃったな……」

 ゾンビを倒すことはできたが、包丁を一本失ってしまった。仮に抜けたとしても、刃は血で汚れて使いものにならならないだろう。

「仕方ない、これからは包丁は使い捨て武器として使うか……ん?」

 のび太が包丁から手を離すと、ゾンビに食われていた死体の足元から、500円玉とほぼ同じくらいの直径のガラス玉が転がり出てきた。
 玉の中には赤と白のツートンカラーの八角形の傘のロゴが、3D映像のように浮かんでいる。

「何だ? これ……一応拾っておくか」

 何かの役に立つかわわからないが、子供のおもちゃのビー玉としては作りが精巧すぎるため、とりあえず確保することにした。

「……死体は燃やしておこう」

 ゾンビに食われていた死体が新たなゾンビとなって起きあがってきたら面倒だ。のび太は死体に灯油をかけ、ライターで火をつけた。

「のび太君、丁度よかったわ。ちょっとその灯油を貸してくれる?」
「あっ、はい」

 それを見た咲夜がのび太に声をかけてきた。呼ばれたのび太はすぐさまそちらへ向かう。
 咲夜の前の工作机には空き瓶が六本並んでおり、その隣では聖奈が大きな布をハサミで切り分けていた。これらは恐らく図工の授業で使われる予定だったものであろう。

「これって、ひょっとして火炎瓶ですか?」
「はい。材料が揃っていたので作ってみようかと」

 二人が作ろうとしているものは、海外の暴動等でよく暴徒が使用しているモロトフカクテル……火炎瓶であった。

「じゃあ早速灯油を入れてっと……」

 咲夜はのび太が持ってきた灯油を受け取ると、ポリタンクについていた灯油ポンプを使い、灯油を瓶の中に入れていった。そして聖奈が適当な大きさに切り分けた布で瓶の口に栓をし、六本の火炎瓶が出来上がった。

「私とのび太君とで三つずつ持ちましょう」
「はい」
「私も欲しかったけど、まぁ仕方ないわね」

 できることなら三人で二本ずつ持ちたかったが、咲夜はカバンを持っておらず携帯が不可能であるため、火炎瓶はのび太と聖奈とで持つこととなった。
 その後三人は図工室内の探索を終えて、二年生の教室を西側から順番に調査した。その結果、教師用の机の中から9mmパラベラム弾15発入りのハンドガンマガジンが合計6本見つかり、廊下にあった消火器一本も回収した。
 そして、のび太たちはついに巨大化け物の牙城となっている体育館の前にやってきた。

「……いよいよです。気を引き締めていきましょう!」
「はい!」
「えぇ!」

 後ろにいる聖奈と咲夜に声をかけ、のび太はハンドガンを構えながら体育館内に足を踏み入れた。後の二人もハンドガンを構えつつそれに続く。

「……あれ?」

 しかし、中には死体がいくつか転がっているだけで、化け物の姿はどこにも無かった。どんなモンスターが待ち構えているのかと思えば、何もいないじゃないか。のび太は思わず拍子抜けし、構えていたハンドガンを下ろした。

「何もいないみたいですので、とりあえず探索を……」

 そう言いながらのび太は二人のほうに向き直る。

「……!?」

 しましょう、と言おうとしたのび太だったが、その言葉を発することはできなかった。

「聖奈さん! 咲夜さん! 後ろです!」
「「!?」」

 のび太が血相を変えて再びハンドガンを構えた。聖奈と咲夜もそれに倣い、身体をクルリと後ろに向けてハンドガンを構えた。
 そこにいたのは、全長5、6mはあろうかという巨大なカメレオンであった。