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のび太のBIOHAZARD カテゴリーFの改造版 2

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 咲夜が制御室の扉の鍵を開けると、例によって三人はのび太を先頭にして室内に踏み込んだ。
 中には警備員と思われる者の死体があったが、頭部が既に潰れておりのび太たちに害をなす存在ではなかった。

「……とりあえず安全そうですから中の探索も安心してできそうです」
「えぇ。ロッカーや棚がたくさんあるから、まずはガサ入れからやっちゃいましょ」
「捜査一課かマルサの気分ですね」

 のび太が室内の安全を確認すると、咲夜と聖奈が軽口を叩きつつ探索を始めた。

(ガサ入れって……聖奈さんもノリノリだし……)

 緊迫した状況下でも茶目っ気を忘れない二人に呆気にとられながらも、二人に続いて探索に取りかかるのび太。
 のび太が手近なところにあったロッカーを開けると、銀色のアタッシュケースが縦向きに置かれていた。とりあえずロッカーから出して床に置くと、留め具を外して開けてみた。
 中には、今最も欲しいものが入っていた。

「おっ! この銃は強そうだ!」

 アタッシュケースの中身は、ショットガン“トールハンマー”と12ゲージショットシェル十二発が入った予備マガジン二本であった。
 強力な武器を見つけたことにより、のび太のテンションも上がる。

「……これ、ショットガンなのか。こんな形のものは初めて見るなぁ」

 予備マガジンの中のショットシェルを見て、のび太はようやく武器の種類がわかった。のび太の中でのショットガンといえば、“レミントンM870”のようなポンプアクション式のものであり、どちらかといえばアサルトライフルのような形状・構造のこのショットガンは彼にとってはとても斬新なものであった。

「これからはこっちをメインに使っていこう」

 のび太は手にしたマガジンとハンドガンを四次元カバンにしまい、ショットガンをスリングで肩にかけ、セーフティーを外してチャージングハンドルを引いた。これならばゾンビやゾンビ犬は目ではなく、ノミの化け物も怖くない。体育館にいる巨大カメレオンとも戦えるだろう。ハンドガンは緊急用のサイドアームだ。

「こちらにも弾がありました。使ってください」
「ありがとうございます」

 聖奈からも六発のショットシェルを受け取った。弾数はマガジン三本分と会議室で手に入れた六発を合わせて合計48発。これだけあれば大分心強い。

「良い武器が手に入ったわね。どうする? のび太君。戻ってもう一度カメレオンと戦う?」
「……もっと武器や弾を集めましょう。アイツと戦うにはまだ早いです」

 少し考えた後、のび太は咲夜の提案を却下した。先ほどは万全だと思ってカメレオンに挑んだが、全くと言っていいほど歯が立たなかった。そのため、のび太はかなり慎重になっていた。

「確かに。用心はしておくに越したことはないわね」

 咲夜ものび太の言い分に納得し、探索に戻った。
 そして数分の探索の結果、カンパンや缶詰め、ミネラルウォーター等が入った非常持ち出し袋が三つ見つかった。武器も大事だが、このような食糧も生き残るためには必要不可欠だ。

「使えそうなものはこれくらいね。そろそろ防火シャッターを開けましょ」

 見つけた食糧を四次元カバンの中に入れると、咲夜は防火シャッターの開閉装置に近づき、装置のボタンを押した。ガラガラと音をたてながら、階段を封鎖していた各階の防火シャッターが一斉に上がっていく。
 その音に呼応したかのように、巨大ノミが天井の板の一部を外して咲夜の背後に降り立った。

「……ッ!?」

 咲夜がそれに気付いて後ろを振り返り、ハンドガンを向ける。が、ノミのほうが一瞬速く動いており、今まさに咲夜を殺すため掴みかからんとしていた。CQCでの迎撃も間に合いそうにない……。

「咲夜さん! 屈んで!」
「え、えぇ!」

 のび太の指示で咲夜が両手で頭を抱えて姿勢を低くすると、ショットガンが火を噴いた。ノミは側面から胴体部に直撃を受け、大きくよろめく。

「よしっ、今だっ!」

 その隙にのび太はノミとの距離を詰め、至近距離からの銃撃で頭部を吹き飛ばした。グシャァ! という生々しい音とともにノミの頭部が潰れ、残った身体が床に崩れ落ちた。
 ノミと遭遇する直前にショットガンを入手できたことはまさに僥倖であった。ハンドガンでは火力やストッピングパワーが足りず、ノミを止められずに咲夜を死なせていただろう。

「危ないところでしたね」
「えぇ、ありがとう……」

 のび太から差しのべられた手をとって立ち上がる咲夜。

(こんな風に助けられたら女子ならときめかないわけないわね。私ものび太君が年下じゃなければ……)

 ドラマチックな助けられ方をした咲夜も、のび太にときめいてしまったようだ。だが、年下の男子は恋愛対象にはならないようで、聖奈ほど強く意識することはなかった。

「じゃあ行きましょ。私は大丈夫だから」

 今の自分の心境を二人に悟られぬように、咲夜は教室の出入口を一瞥して二人を促した。こういう感情はなるべく人に知られたくない、というのが乙女心だろう。

「はい。でも二階に行く前に保健室に戻りましょう」
「そうですね。出木杉さんたちも心配しているでしょうから、一度顔をみせておきましょうか」

 幸いにも二人とも咲夜の心境には気づいていないようであった。咲夜はふぅ、と息をつくと、二人の後について制御室を後にした。