電撃FCI The episode of SEGA 3
サヤと美琴は似たような声質の上、性格も似かよっていた。故にこの勝利の宣言はどちらのものか、目映い光の中からでは判断し得なかった。
やがて時間がやって来て、世界は完全消滅してしまった。サヤ達は元々自分達のいた世界へと帰還し、電神ドリームキャストのみがそこに残った。
絶無、かつてドリームキャストが抱いてしまった絶望は、こうして希望の担い手によって消し去られた。
「もうここが、セガ・エンタープライゼスが絶無によって滅茶苦茶にされるような事はないでしょう。私は分かりましたから。絶望の先には必ず希望に繋がっていると……」
電神ドリームキャストは自らに言い聞かせた。
「そう、いつだって、繋がっているんですから!」
別の次元、場所、時間にて、二人の希望の担い手は夢から覚めた。
「面白い夢を見ていたわね……」
「けれど悔しい、もう少しで勝てたのに!」
「危ないところだったけど、なんとかなったわ。もし、次があったら……」
「勝ち逃げされた気分だわ。絶対に次がなくちゃ困るわ!」
「例え次があっても、私が……」
「次があったら今度は私が……」
希望の担い手、御坂美琴、刀子サヤ、二人の意思は同じであった。
「必ず勝つ!」
一つの悪夢は終わりを告げた。絶無という、絶望の塊を打ち破る事によって。
いつかまた、希望の担い手は会うことになるやもしれない。希望、夢に点火(イグニッション)し、心を燃え上がらせることができたのなら。
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作品名:電撃FCI The episode of SEGA 3 作家名:綾田宗