ヒカリ 4
シャアは溜め息を吐きながらもアムロの頬に手を寄せる。
「前はあんなに貴方の事が怖かったのに…何でだろう…」
その手を受け入れながらアムロはそっと微笑む。
「私が怖かったのか?…まぁ仕方ないか。突然私の前に立ち塞がった君を本気で倒そうと思っていたからな。」
「戦場で貴方の気配を感じる度、恐怖が僕を襲った…、でも同時に心が高揚した…。」
「心が高揚…か。それは私も同じだな。いつも君を探していた。陽動と知りながらも木馬を執拗に追ったのはひたすら君を求めていたからだ。」
「僕がニュータイプだから?」
「それもある…、しかしそれだけでは無い。君の魂が私を惹き寄せたのだ。君の純白の魂の光が私を惹き寄せてやまない…。」
「え?…っあ!あああ」
アムロが声を上げた瞬間、まだアムロの中にいたシャアが再び激しく際奥を突き立てた。
「あっんん!シャ…ア…」
「アムロ…ララァと共に私を導いてくれ!」
その強い刺激と快楽の波で朦朧とするアムロの中にシャアの激情が流れ込んでくる。そのあまりにも激しい流れに飲み込まれてアムロは意識を飛ばした。
『シャア…、ニュータイプとしてではなく僕とララァを受け入れてくれた貴方を信じたい…。お願いだから…僕たちを殺戮兵器にしないで…』
結局アムロはその言葉を口に出す事は出来なかった。
心の奥底で本当は分かっていたから…。
ニュータイプとしてではなく人として自分たちを求めると同時にニュータイプとしての自分たちもシャアは求めている事を…。
でも…それでも、自分の魂の光を感じてくれたシャアを信じたかった…。
意識を失ったアムロの柔らかい髪を梳きながらそっとその髪に口付ける。
「君はきっと怒るのだろうな…。私は君たちを自分の目的の為に利用しようとしている。君たちの持つ力は父の言っていたようにこの宇宙で人が生きる為に授かったものだ…。しかし、その力は戦局を左右する程の戦力にもなる…。軍人としての私はどうしてもその力が欲しい…。」
そして、復讐という目的を果たす為にも…。
その為には妹を捨てたように鬼にもなれる。
この純白の魂達が涙を流すことになってもこの目的だけは絶対に成し遂げる。そうでなくては私の生きる意味が失われてしまうから…。
眠るアムロを抱き寄せ、その温もりを噛み締める。そして、さっき一瞬見せた微笑みを思い出す。
「初めて私だけに微笑んでくれたな…」
しかし、もう二度と私に微笑んでくれないかもしれない。明日の作戦にララァを出撃させる。
ララァにとっては実質初めての出撃。彼女のサイコミュ攻撃は多くの連邦の兵士を死に至らしめるだろう…。そして、おそらくアムロの仲間も…。ホワイトベースがこの宙域に入った事を先ほど確認した。
明日はアムロをこの部屋に閉じ籠める。その為に散々抱き潰した。
明日の朝、睡眠薬も飲ませよう…。
君がその瞬間を感じ取らないように…。その心が壊れてしまわないように…。
to be continued.