二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
炬善(ごぜん)
炬善(ごぜん)
novelistID. 41661
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

メテオラさんの いただきます

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 


「不思議なお客さんだったなあ……外国人?」
 とっぷり日の暮れた道路を、その青年はバイクで走る。

 荷台には、宅配ピザの箱。配達先は、まだ少なくない。今日は、いつにも増して、注文が多い気がする。いつにも増して、忙しい。

 しかしながら、青年は、どこか胸中に高揚感を覚えていた。
 その口元には、微笑が浮かんでいた。
 彼は、思い出していた。
 一人の小柄な――奇異な少女のことを。
 どこか、この世界の住人じゃないような、白髪の少女のことを。

「しかも、可愛い」
 誰が聞いてるでもないのに、力説する側で、目の前の信号が黄色になった。
 停止線を越えないよう、バイクを止める。

「あの顔どこかで……そういえば、まるで、この前まで嵌ってた……」
 目の前の交差点を、まばらな歩行者が行きかっていく。
 思いにふけるその中で、歩行者信号は点滅し、赤信号に変わる。

「『追(つい)アヴァ』に出てきた、あのキャラみたいだ。名前は確か……」
 前の信号が、青に変わった。
「んなわけないか!」
 青年は、バイクを発進させた。


 彼の脳裏に、今一度その姿が浮かぶ。
 ピザを受け取り、静かに、優しく微笑む少女の姿を。

(ありがとうございます。お兄さん。どうか、運転にはお気をつけて)

 今日の運転は、いちだんと、安全第一だ。

☆終わり