琅琊閣小噺 弍
────それにしても騒がしかった、、、。
だが、赤焔軍はいつもあんなものだったな。
からかう者がいたり、取っ組み合いが始まったりもした。
荒っぽい者や、癖のある者もいたが、根はよい者ばかりだった。
、、、、懐かしい。────
この先、金陵の都に入らねばならぬ。
金陵に行けば、こんな懐かしむ気持ちとも、決別せねばならぬかも知れない。
────今はまだ、こんなささやかな事に、心を浸らせても良いのかも知れない。────
風が、、、、温かで穏やかな風が、また部屋の中に、、。
もう、飛流は障子の横に座り、外を見ている。
────風雲の後は、晴れ渡る空になる、。────
きっと、上手くいく、、、、強く心にそう思う。
──────糸冬────────