二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Lovin' you after CCA5〈前編〉

INDEX|3ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

「大丈夫だよ。君はニュータイプなんだね。今、俺と君の意識が繋がったんだ。君はこの病院に何か危険な事が起きると予感して慌てていたんだね?何が危険なのか俺と一緒に探そう。」
「一緒に?」
「ああ、そうだよ。まずはどこが危険なのか場所を探そう。さぁ、目を閉じて神経を研ぎ澄ましてごらん。」
少女は目を閉じて病院内をまるで空から見ているかのように眺める。
そしてその壁が透けて透明になっていく。
その中に赤く点滅するような光を感じた。
「見つけた!」
ライラが声をあげるとカミーユが頷く。
カミーユはライラと完全にリンクしてその全てを同じように見ていた。
「あそこはスタッフのロッカールームだ…。」
カミーユはロッカールーム内をゆっくり見渡すと一つのロッカーの中に爆弾を見つける。
「マズイ!爆弾か!タイプは何だ!」
「時計が見えるわ!」
「時限爆弾か!残り時間は!?」
爆弾のタイマーは残り30分を指していた。
「30分か!撤去出来るか!?、いやテロだとしたらコレはただの起爆目的だ。爆破と同時にテロリストに病院が襲われる!!」
「えええ!どうしたら良いの!?」
「俺たちだけじゃどうしようもない。クワトロ大尉に連絡しないと!」
「クワトロ大尉?」
「ああっと、総帥だよ」
「総帥ってお父さんの事?」
「お父さん?!」
「うん。シャア・アズナブルでしょ?」
「って、えええ!!」
カミーユはライラを見つめて叫ぶ。
『そう言われてみれば髪や瞳は大尉と同じだ!顔立ちはアムロさんに似てるかも!』
「ああああ、とにかく直ぐに連絡とらないと!」
「それなら多分お兄ちゃんがお父さんの所にいるからライラがお兄ちゃんとお話出来るよ!」
「え?」
《お兄ちゃん!》
突然ライラが意識を兄の元に向ける。

「…!?ライラ!?」
総帥府に居たカイルがライラの突然の声に振り返る。
「どうした?カイル」
突然ライラの名を呼ぶカイルにシャアが声を掛ける。
「今、ライラの声が」
《お兄ちゃん!聞こえる?聞こえたら返事して!》
《ライラ!聞こえるよ。どうしたんだ?》
「あ、お兄ちゃん聞こえるって!」
無邪気にはしゃぐライラにカミーユが目を見開く。
「えっと、おじちゃん。私と手を繋いで。そしたらおじちゃんにもお兄ちゃん声が聞こえると思うから。」
「お、おじちゃん!?俺まだ25歳なんだけど!!」
「んー、それじゃお名前教えて。」
「カミーユだよ。カミーユ・ビダン。君のお父さんとお母さんの知り合いだよ。」
「カミーユね!ほらっ手を繋いで!」
ライラは無邪気にカミーユの手を取る。
するとカミーユにもカイルの声が聞こえてくる。
それから、カイルの姿も脳裏に映った。
「カミーユ凄いのね。お兄ちゃんの姿も見えるんだ!」
ニュータイプ能力の高いカミーユはライラを通して総帥府にいるカイルの声と姿を感じる事が出来た。
《あのね!お兄ちゃん。大変なの!病院がね、えっと…時間が無いの!》
《ライラ??どういう事?お前、今何処にいるんだ?》
《今、お母さんの病院にいるの。それでね、なんか胸がドキドキして病院に行かなきゃって思ったの》
《病院!?ピアノのレッスンはどうしたんだ?》
《えっと、ドキドキして弾けなくなっちゃたら先生が休憩しましょうって…。て、それどころじゃないのぉ》
中々上手く説明できないライラにカイルが困惑の表情を浮かべる。
「カイル、ライラがどうかしたのか?」
突然独り言の様に話し出すカイルにシャアが疑問の声を上げる。
「ライラが頭の中で僕に話し掛けて来てるんですけど要領を得なくて…。どうもお母さんの病院に居るみたいなんですけど、ドキドキしたからとか大変だとか時間が無いとか…」
「大変?時間が無い?」
シャアは顎に手をあて考える。そしてカイルの肩に手を置くとライラに話しかける。
《ライラ!お父さんだ。聞こえるか?》
《ああ!お父さん!!》
カイル通して聞こえる父親の声にライラが喜びの声を上げる。
《あのね、えっとね。》
と、そんなライラの手を繋ぐカミーユがライラの唇に手をあて言葉を止める。
「俺の声も大尉に届くかな?」
「カミーユなら多分大丈夫だと思う!」
カミーユは微笑むとシャアに呼びかける。
《クワトロ大尉!カミーユです。》
《カミーユ!?》
《今、ライラちゃんと病院に居るのですがどうもここに爆弾が仕掛けられて居る様なんです。》
《なに!?》
《おそらく次のテロの標的はこの病院です。爆弾は時限爆弾で約30分後に爆発します。規模は分かりませんが診療フロアや病室から離れたスタッフのロッカールームに仕掛けてありますので多分テロリスト達の突入の合図の様なものだと思います。》
《なるほどな。分かった。直ぐに制圧部隊を送る!》
シャアはそう言うとナナイに視線を向ける。
その視線を受け、ナナイは頷くと直ぐに動き出した。
《カミーユ、爆弾の撤去は専門部隊をそちらに送る。お前は無理をするな。それよりもライラとアムロを守ってくれ。それからこの事はあまり大ごとにするな。おそらく病院内にテロリストの仲間が居るはずだ。計画がバレた事がわかれば強行な手段に出るかもしれん。》
《分かりました》
シャアは会話をしながらも端末を操作して病院の見取り図を表示させ爆弾の位置を確認する。
また、同時に病院のスタッフ、入院患者、現在病院内にいる外来患者のリスト。そして手術などのスケジュールを確認する。
カイルはそのデータを横から見ながら口元に手をあて考える。
そして「うん」と頷くと、
「ナナイさん!」「ナナイ!」
カイルとシャアの声が重なる。
二人は顔を見合わせるとシャアがカイルに喋る様に促す。
「えっと、ナナイさん。ここ半年くらいにスウィート・ウォーターに入港した病院スタッフをリストアップして下さい。それから、爆弾の規模はおそらくそんなに大きくはないと思いますが施設が停電する可能性が高い。現在手術を行っているフロアは今すぐ予備電源に切り替えて不測の事態に備えて下さい。」
シャアはカイルの指示を黙って聞きナナイに視線を送ると頷く。

そして病院見取り図をカイルに見せる。
「テロリストはどこから侵入すると思う?」
カイルは見取り図の二箇所を指差す。
「ココとココ。おそらく仲間のスタッフがスタッフID使って仲間を引き入れ、まず警備員を抑える。その後ロビーの患者を人質に取ると思います。そして、もう一つの部隊が病棟に侵入し目標を確保する。」
「目標とは?」
カイルはじっとシャアを見つめ、重い口を開く。
「多分…。お母さんと赤ちゃん達…。」
「だろうな。」
その言葉を聞きナナイが目を見開く。
「大佐!!」
「ナナイ、分かっている。」
シャアは悲痛な表情を浮かべながらもカイルに向き直る。
「カイル。お前ならば制圧部隊を何処に配置しどう動かす?」
カイルは見取り図を見ながら少し考え目を閉じてシミュレーションする。
そして、それが終わると見取り図を指差し配置と作戦を説明する。
「良い案だ。だが一つ足りない。首謀者の炙り出しだ。コレはどうする?」
カイルはシャアを見上げ不安気な視線を向ける。
「ふふん。一応考えてはいるらしいな。お前の思っている案で問題無い。私が囮になろう。」
「大佐!?」
作品名:Lovin' you after CCA5〈前編〉 作家名:koyuho