ぼくらの日常
カイジの方は満身創痍だが、アカギの方はとくれば、かすり傷がいくつかで後は涼しい顔をしている。
「あれだけ学校で騒いでくれたから、殴られたから殴ったなんて説明はしなくていいかと思って。オレの代わりにずいぶんカイジさんが殴られてくれたみたいだし」
「オレがお前の代わりかよ! いてててて……」
怒鳴りかけて、口の端の傷が疼いてカイジは悲鳴を上げた。
「別に身代りにしようと思ってたわけじゃないが。良かったな、カイジさん。あんた、これで完全に俺のツレだと思われただろうから、あいつらからはもう狙われないだろ」
「あいつらからは……?」
その不吉な断言に、カイジは不穏なものを感じて聞き返した。
「うん。他の連中から狙われたらごめんな。先に謝っておく」
「てめえ、俺を巻き込むんじゃねーよ……」
日々喧嘩に明け暮れているのなら、いらない恨みのひとつやふたつ買っていることだろう。
そんなアカギに助太刀してしまったのが運の尽き……。
カイジは深々と溜息をついた。