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CIAのために働かないか…。その突然の誘いかけの裏には、アメリカに亡命した元上司の思惑があった。二重スパイの役割を求められたザイコフは、ある決意を持ってKGBの情報を次々と提供しはじめる。あえて危険な綱渡りに踏み出した彼の、本当の目的とは…　

「エロイカより愛をこめて」に登場する白クマ氏の若き日の物語、第二弾。個人の感情と相いれない諜報の世界にやさぐれて、相当な外道になっていた30台、1960年代後期のパリを舞台にしたエスピオナージュ。かなり本気で書きました。例によって、原作のエピソードとは一切かぶりません。今回はミーシャも出てきません。
なお、分かる人には分かると思いますが、いくつかの欺瞞工作のアイディアはフレデリック・フォーサイスの作品から採っています。ただし、全体のプロットはオリジナル。拙作・第一弾の「マトリョーシカ」を受け継ぐ流れになっているので、合わせてお読みいただければ分かりやすいかと思います（どっちも長いですが…）。

追記：ロシア語は正しく表示されるのに、フランス語のアクサン付き文字は化けるようです。やむを得ずアクサン無しで代用します。