「何か願い事はありますか?」
「何か願い事はありますか?」
私、鯨に戻ります。
一つ目の願いは、「魚を腹いっぱい食べてみたい」でした。
我々鯨は体こそ大きいですが、主食は小さなエビ。魚は食べたことがあるとしても小魚が限界。一度でいいから体に見合うだけの魚を食べてみたかったのです。
悪魔は、「お安い御用だ」と言って、一瞬時間を止めて、私の目の前にマグロの群れを一つ連れてきてくれました。
二つ目の願いは、「息子にも同じ願いを叶えてやって欲しい」でした。
悪魔は、「お安い御用だ」と言って、一瞬時間を止めて、息子の前にも同じく群れを一つ連れてきてくれました。
三つ目の願いは…
作品名:「何か願い事はありますか?」 作家名:泡沫 煙