愛を伝える。Italia
「にほーんっ!!」
天使の笑みを貼り付けて、語尾にハァトを付ける勢いで。
ほぉら、俺って可愛いよね??
あ、日本てば俺の顔見て一瞬困った顔した。
でも隣にドイツが居るの見てすぐに得意の『愛想笑い』に変えたみたい。
うぇ〜、酷いなぁ、俺はこんなに日本が好きなのに。
「イタリアくん、ドイツさん、こんにちは。」
「あ、ああ。すまない、突然の訪問になってしまって…こいつがどうしても日本に会いたいというもんだから。」
ヴェエェ!ドイツってば俺をダシにして…自分だって会いたかったくせにっ。
「ふふ、そう思っていただけて嬉しいです。」
口元を手で隠して笑う日本はその動作が優雅だ。
一瞬見惚れたドイツの隙を盗んで俺は日本に飛びついた。
「にほーん!俺日本に会いたかったよーっ。ドイツのムキムキは嫌だよー!」
日本が素早く身をかわして俺を避け、そこをドイツが反射的に俺を叩いた。
結果、地面に顔からダイブすることになる。
ヴぇ…いたひ…。
「クスクス、相変わらずですね。イタリアくん?」
日本の目が細められて、意味ありげに笑う。
そういう大人の顔を持つ日本をみると、俺より年上だったたことを思い出す。
でもさ、俺はいつまで『可愛いイタリアくん』のままなの?ねぇ、
「日本?」
「おや、どうしました?テレビを見てたんじゃないんですか?」
日本の家で夕食を御馳走になって、食後は日本が片づけをしてくれている間ドイツとぼーっとテレビを見ていた。
ドイツは日本のドラマに夢中になってるみたい、俺はそっと居間を抜け出して台所で片づけをしていた日本に近づく。
俺は日本を見つめた。
日本が俺から目をそらす。
「此処の洗い物を片付けなければならなくて…そうだ、イタリアくん『お手伝い』していただけます?」
ホラ、また子供扱い。
「『お手伝い』はする、けど。」
「けど?」
「『ご褒美』くれる?」
「…甘いものはお好きですか?」
わかっててそういうこと言うんでしょう?
意地が悪いや。
「うーん…ご褒美に『日本』をちょーだい?」
天使の笑みを貼り付けて、小首を傾げた。
「私なんて、イタリアくんにとってなんの価値も無いでしょう?」
日本も天使の笑みを浮かべた。
「俺が子供だからそうやってはぐらかすの?」
「まさか、私はイタリアくんを子供だと思ったことはありませんよ?」
白々しいよ、ズルイ大人め。
「嘘、いつも子供扱いだ。」
「いい大人は、我儘なんて言わないものです。」
「我儘じゃないよ、愛の告白なのにっ。」
日本が俺の言葉に困ったように笑う。
あぁ、違うよ。困らせたいわけじゃないのに…。
わかってるんだ、日本にとって俺は可愛い存在。
最初はそれで良かったんだけど、今は物足りないよ。
でも、日本に俺を受け入れる気は無いんでしょう?
俺を傷つけたくなくて毎回聞こえないふりをする。
でもね、俺だっていつまでも子供じゃないよ?
ちゃんと、わかってる。
「日本は、フランス兄ちゃんと付き合ってるもんね。」
「…っ。」
「だから、俺の告白なんて迷惑なんでしょぅ?それならちゃんとそう言ってよ!」
「ィタリアく…。」
「俺のこと馬鹿にしないで…。」
俺達二人の間に沈黙が流れる。
居間の方からドイツが見てるドラマの音がしてる。
きっと俺の今の叫ぶ声は居間のほうまで届いてるはずなのに、ドイツは来ない。
ごめん、ありがとう、ドイツ。
天使の笑みを貼り付けて、語尾にハァトを付ける勢いで。
ほぉら、俺って可愛いよね??
あ、日本てば俺の顔見て一瞬困った顔した。
でも隣にドイツが居るの見てすぐに得意の『愛想笑い』に変えたみたい。
うぇ〜、酷いなぁ、俺はこんなに日本が好きなのに。
「イタリアくん、ドイツさん、こんにちは。」
「あ、ああ。すまない、突然の訪問になってしまって…こいつがどうしても日本に会いたいというもんだから。」
ヴェエェ!ドイツってば俺をダシにして…自分だって会いたかったくせにっ。
「ふふ、そう思っていただけて嬉しいです。」
口元を手で隠して笑う日本はその動作が優雅だ。
一瞬見惚れたドイツの隙を盗んで俺は日本に飛びついた。
「にほーん!俺日本に会いたかったよーっ。ドイツのムキムキは嫌だよー!」
日本が素早く身をかわして俺を避け、そこをドイツが反射的に俺を叩いた。
結果、地面に顔からダイブすることになる。
ヴぇ…いたひ…。
「クスクス、相変わらずですね。イタリアくん?」
日本の目が細められて、意味ありげに笑う。
そういう大人の顔を持つ日本をみると、俺より年上だったたことを思い出す。
でもさ、俺はいつまで『可愛いイタリアくん』のままなの?ねぇ、
「日本?」
「おや、どうしました?テレビを見てたんじゃないんですか?」
日本の家で夕食を御馳走になって、食後は日本が片づけをしてくれている間ドイツとぼーっとテレビを見ていた。
ドイツは日本のドラマに夢中になってるみたい、俺はそっと居間を抜け出して台所で片づけをしていた日本に近づく。
俺は日本を見つめた。
日本が俺から目をそらす。
「此処の洗い物を片付けなければならなくて…そうだ、イタリアくん『お手伝い』していただけます?」
ホラ、また子供扱い。
「『お手伝い』はする、けど。」
「けど?」
「『ご褒美』くれる?」
「…甘いものはお好きですか?」
わかっててそういうこと言うんでしょう?
意地が悪いや。
「うーん…ご褒美に『日本』をちょーだい?」
天使の笑みを貼り付けて、小首を傾げた。
「私なんて、イタリアくんにとってなんの価値も無いでしょう?」
日本も天使の笑みを浮かべた。
「俺が子供だからそうやってはぐらかすの?」
「まさか、私はイタリアくんを子供だと思ったことはありませんよ?」
白々しいよ、ズルイ大人め。
「嘘、いつも子供扱いだ。」
「いい大人は、我儘なんて言わないものです。」
「我儘じゃないよ、愛の告白なのにっ。」
日本が俺の言葉に困ったように笑う。
あぁ、違うよ。困らせたいわけじゃないのに…。
わかってるんだ、日本にとって俺は可愛い存在。
最初はそれで良かったんだけど、今は物足りないよ。
でも、日本に俺を受け入れる気は無いんでしょう?
俺を傷つけたくなくて毎回聞こえないふりをする。
でもね、俺だっていつまでも子供じゃないよ?
ちゃんと、わかってる。
「日本は、フランス兄ちゃんと付き合ってるもんね。」
「…っ。」
「だから、俺の告白なんて迷惑なんでしょぅ?それならちゃんとそう言ってよ!」
「ィタリアく…。」
「俺のこと馬鹿にしないで…。」
俺達二人の間に沈黙が流れる。
居間の方からドイツが見てるドラマの音がしてる。
きっと俺の今の叫ぶ声は居間のほうまで届いてるはずなのに、ドイツは来ない。
ごめん、ありがとう、ドイツ。
作品名:愛を伝える。Italia 作家名:阿古屋珠