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天衣創聖ストライクガールズ 第一章:セラ・レイトン

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その時、後方から戦闘を見守っていた龍之介の頭の中でエクスタシオが呟いた。
(あの娘の心が・・・泣いてる。こんな事嫌だって、泣いてる・・・)
「エクスタシオ?起きてたのか?」
(龍之介さん!あの娘助けてやって下さい!)
「いや助けるったって、俺に何が・・・」
(あなたじゃなきゃ救えないんです!いいですか?右手に意識を集中してください!)
「右手に意識・・・えーと、こんな感じか?」
龍之介は言われるままに試してみた。するとしばらくの後、その手の中に何かが現れた。
「これは・・・」
(それが私、聖杖エクスタシオです。)
「これが!?エクスタシオ!?思っていたのと随分違う形だな・・・」
そう、実体化したエクスタシオは全長50センチ程度で杖と呼ぶには相当短かった。
(さあ、龍之介さん、あなたが使いやすい武器をイメージして下さい。私はあなたが思うままの姿に変わります。)
「武器?武器って言ったら・・・」
そう言われて彼が思う武器と言えば一つしか無い。龍之介がそれを言葉にする前にエクスタシオはその姿を変えた。杖本体の先の飾り部分から光の刃が伸び、彼女は刀となった。
「・・・なんとなく解った。お前がどうして欲しいのか。出来るかどうかわからないけどやってみるよ。」
(大丈夫です。龍之介さんなら。)
龍之介はそう言うエクスタシオが微笑んだ、ように感じた。そして彼は結界の中央へ歩を進めた。それを見たセフィーナが止めようと彼に駆け寄る。
「マスター!駄目です!こっちは危険・・・え?」
彼女は龍之介の手のエクスタシオを見て思わず言葉を呑み込んだ。
「まあ見てろって。乗るか反るか、一か八か、当たるも八卦外れるも八卦・・・これはちょっと違うか?」
龍之介はセフィーナに軽口を利いて笑うと、彼女を後にセラに向かって叫んだ。
「見ろ!セラ!」
その声にセラが振り向く。それを確認した龍之介は右手のエクスタシオを頭上に掲げた。
「えくすたしお・・・ぐおおおおおおおおおおおおおおおお!」
それを見たセラは唸り声を上げて龍之介に突進して来た。
(彼女のスピードはそんなに速くない・・・落ち着けば出来るさ。)
龍之介はそう自分に言い聞かせると、ゆっくりと正眼に構えた。セラは右手を伸ばし龍之介に迫る。超振動を仕掛けてきた。龍之介にとって命がけの瞬間。世界はスローモーションのようにゆっくりと感じられた。彼は伸びて来た右手を叩き落し、そのまま眉間にエクスタシオの刀身を打ち込んだ。流れるような籠手面打ちだった。
「ぎゃあああああああああああああああ!」
獣のような悲鳴を上げるセラ。彼女はその場に膝を突き、その動きを止めた。

・・・・・・・・・・・

(もう、やだ、やだよ・・・なんでこんな事に・・・)

(大丈夫、もう心配しないでいいから。)

(え、あなた、誰・・・?ううん、見た事ある。彼の守護霊だね。)

(私はエクスタシオ。彼の守護霊と融合してこの姿になっています・・・貴女が私の事を思ってくれての行動がこの結果に繋がった事はよく解っています・・・でも、もう苦しまないでください。私がこの世界にいるのは私が望んだ事。そしてそのせいで犯してしまった過ち、どうかこのままそれを償わせてください。)

(エクスタシオ・・・!でも、私はもう元に戻る事など・・・)

(大丈夫。大丈夫です。さあ、私に心を委ねて・・・)

・・・・・・・・・・・

「私は・・・」
セラは目を開いた。彼女は跪いた龍之介に抱きかかえられていた。
「お、やっとお目覚めか。大丈夫か?」
覗き込むように龍之介が言う。セフィーナたちも心配そうに彼女を見下ろしていた。
「私は・・・どうやら禁忌に手を出していたようだ。ヴィーン・ボウという禁忌に。」
セラはそう言うと立ち上がり、
「私は詫びのしようも無い事を君達にしてしまった。だがそれでも詫びさせてくれ。すまなかった。」
そう言って頭を下げ、踵を返した。
「どこへ行くんだ?」
その背中に龍之介が問いかけた。
「さあな。私がした事はきっと大きな罪・・・ウィザーディアにも帰れん。この世界で生きていくとするさ。」
「なら俺たちの仲間にならないか?」
「!」
セラは驚いた顔を龍之介に向けた。
「どうした?天衣乙女としてこのマスターを守ってくれないか、って聞いてるんだが。」
「私なんかで・・・いいのか?」
「いや、むしろ君が仲間になってくれれば心強いぜ。」
「・・・まったく・・・君って奴は相当なお人よしだな。」
そう言いながら彼女は涙を滲ませながら笑って見せた。

・・・・・・・・・・・

「・・・ここにもいるな。」
「おい!まだいるのかよ!」
「心配するな。無害な霊だ。まあ、霊というのは君らが思うより沢山いるものだ。」
セラは今、龍之介の部屋の霊視を試みていた。そして彼女が視た霊の数は彼らの想像を上回るものだった。
「これが幽霊じゃなくて精霊なら魔法も楽に使えますのに・・・」
キリスがぼやく。そこに玄関からミントの声が聞こえて来た。
「へえ、これがマスターの部屋?」
やがてセフィーナに通されて彼女が部屋に入ってくると、
「む、来たな巨乳!」
キリスが敏感に反応した。
「ちょっと、その巨乳って呼ぶのやめてよ。ミントっていうれっきとした名前があるんだから!あ、マスターこんにちは。」
「やあ、この前はありがとう。助かったよ。」
「いいえ、私もあなたをマスターと認めます。今後よろしくお願いします。マスター。」
ミントはそう言って頭を下げた。
「こんにちは。あら、もうみんな揃ってるのね。」
そこへシルクもやって来た。
「しかしさすがにこれだけ入ると狭いな・・・さっさと片付けようか。」
(よろしくお願いします~)
頭の中でエクスタシオが言う。今日は天衣を持たないセラとネプチューンのみのミントに天衣を召喚するための集まりだった。
「かわいい天衣がいいな~。マスターお願いしますね。」
ミントがそう言うと、
「かわいさより強さだろ?マスターを守るためなんだから。」
セラが反論する。
「まあまあ、強くてかわいけりゃ文句無いだろ?エプロンとか・・・」
「エロいのは却下!」
女性陣の声が綺麗にハモった。
「ちぇっ、それじゃ行くぜ!天衣創聖!」

第一章:おわり