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天衣創聖ストライクガールズ 第一章:セラ・レイトン

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「俺なんかで・・・いいのか?」
「貴方じゃなきゃ意味が無いわ。この先私が使う天衣は全て龍之介さんの召還した天衣になるって事を理解して欲しいの。」
「わかった。見届けるよ、シルクさん。」

そして、クローゼットの前でシルクによる天衣を消し去る魔法の呪文詠唱が始まった。三人は見守っていたがやがてシルクの頬を涙が伝った。それに気づいたセフィーナは、
(辛かったよね、シルク・・・忘れられるわけ無いもんね・・・)
心の中でシルクにそう告げ、ふと隣の龍之介を見ると、彼も目に涙を滲ませていた。
(マスター・・・もらい泣きするなんて、やっぱり優しい人なんですね。)
彼女はそう思って胸に熱いものがこみ上げるのを感じた。

さて、ここで龍之介の頭の中を覗いてみよう。
(裸エプロン・・・シルクさんの裸エプロン・・・せめて一目でも見てみたかった・・・!)
そして彼の頭の中でエクスタシオが呟いた。
(ま、男の子だしね。)



第五話 それを償わせてください

「四人目を探しましょう。」
シルクの提案だった。戦力不足を補うためにもう一人チームに編入したい。そのために天衣創聖も繰り返したが、召喚されるのは既存の三人の天衣ばかりだった。この世界にはエクスタシオを追って派遣されたウィザーディアの天衣乙女が何人もいるはずで、エクスタシオの出現を感知できていない乙女をこちらから探しに行こうという事だった。
そんな訳で今龍之介一行は秩袋電気町をうろついていた。ひとまずここを選んだ理由は、まずエクスタシオを感知できるのはヴィーン・ボウも同じ。いつ襲われるかも知れないので三人は天衣のまま龍之介に同行しているのだが、場所柄それは何かのコスプレでメイド喫茶か何かの店員のように思われるだけで済むからだった。
因みに三人の出で立ちは、セフィーナがメイド風ウェイトレス天衣のサニー・ピナフォア、キリスがアイドル風天衣のシンフォニック・ヒロイン、シルクが某ゲーム風天衣のセイラー・レイテだった。何れもここ最近の天衣創聖で召喚された物だったが、その中でも比較的露出度が低い物をチョイスしていた。いくらこの地でも裸に近いような天衣ではおまわりさんが来てしまう。だがそれでもシルクはぼやく。
「ちょっと・・・私に召喚された中で一番露出度が低いとは言っても、これで人前歩くのって相当恥ずかしいわよ・・・これ普通にお尻半分見えちゃってるし、バストも下半分見えちゃってるし・・・」
そう、これでも一番露出度が低い物を選んだ結果なのだ。龍之介の執念と言えた。なんと彼はその後シルクにエプロン、スゥィート・ハニーを引き戻した。それだけではない。他にも首からタオルにパン1のノーシャワー・ノーライフ、スケスケネグリジェのワンダフル・トゥナイト、どうしてもきっちり着る事が出来ずに前が開いてパンティが丸見えになってしまう浴衣、みだれ乙女など、エロ天衣と呼ばれるものばかり引いたのだ。彼の煩悩のなせる業と言う他無かった。ただ、どれも強力な天衣ばかりなのでヴィーン・ボウと戦う分には歓迎すべき事態だったのだが、問題はこのような使い方をする場合だった。実際、すれ違う人々は三人に、特にシルクに視線を浴びせて通り過ぎていく。
「まあまあ、シルクお姉さま。エクスタシオ感知以外にも天衣着てるのが一緒に歩いてれば仲間には一目でわかりますですから。」
キリスが苦笑いしながらそう言う。だが、もうここへ来てから数時間。仲間が現れる気配は無い。
「仕方ないですね・・・今日はこれぐらいに・・・」
天衣で街中を歩く、という事に一番抵抗を示していたセフィーナが切り上げを提案したその時、
「!」
喧騒と人ごみが一瞬にして消え、街は無人となった。
「結界です!ヴィーン・ボウですね!」
叫ぶキリス。そして現れた敵はヴィーン・ボウの眷属、要するに雑魚敵だった。
「属性は、風です!私に任せてください!」
そう言うや否や、セフィーナは敵に向かって突っ込んでいった。さすがに有利属性、一瞬でほとんどの敵を片付けたところでキリスが叫ぶ。
「お姉さま!援護しますです!」
その声とともに彼女はいくつもの光の矢を放った。ハーモニー攻撃。体当たり以外の乙女たちの攻撃手段である。その一種であるこのマジックミサイル、威力は体当たりに及ばないものの、確実に敵に命中する。そしてマジックミサイルが残った敵を殲滅、最後の敵が消滅するとその向こうに佇む人影が現れた。
「セラ!・・・最悪!こっちはまだ準備出来てないのに・・・!」
シルクが思わずそう言うが、セラの様子は何かおかしかった。
「う・・・ううううう・・・」
彼女は顔を伏せ、うめき声を上げていた。一同は訝しがり、距離を置いて様子を伺うが、
「ああああああ!あああああああああああああああ!」
一転、叫び声と共に突進して来た。
「有利属性の私が行くわ!二人とも下がって!」
シルクはそう言うと一歩踏み出して迎撃体制を取る。
「があああああああああああ!」
「!」
セラの一撃がシルクを襲う。
「何よこれ・・・なんて重たい攻撃!有利属性じゃなければ危なかった・・・この前と違う!二人とも気をつけて!」
セラは何かのパワーアップを遂げていた。そしてシルクに一撃を加えたセラはそのままセフィーナに向かう。
「!」
「避けるです!」
キリスが叫ぶまでもなく不利属性であるセフィーナは回避に専念、なんとかダメージを負わずに済んだが今のセラの攻撃を一度でも受けたら危険な事に変わりはない。セラは結界内を縦横無尽に駆け回り、攻撃の手を緩めず有利属性のシルクさえ防戦一方の状態だった。
「・・・何やってるんだか。」
その様子を見て呟く、結界に影響されなかった少女がいた。その少女は近くのビルの屋上からその様子を眺めていたがやがてふわりとその場から飛び降り、一本の電柱のてっぺんに降り立った。
「助けが必要かしら!?」
彼女は戦闘中の三人に問いかけた。
「?・・・誰ですか?あなた!?」
その姿を確認したキリスが叫ぶ。
「・・・黒い・・・エンゲージ!?」
セフィーナもその姿を見つけた。その少女はエンゲージクロスそっくりの黒い天衣を纏っていた。
「誰だか、知らないけど、ウィザーディアの、天衣乙女ね!加勢してくれるなら・・・助かるわ!」
セラの攻撃を凌ぎながらそう言うシルクの言葉を聞いた少女は結界内に飛び降りてきた。
「そもそも3人で戦おうってのがおかしいのよね。4人が基本でしょ!私はミント!ミント・リースフェルト!よろしくね!」
そう言いながら黒衣の少女はセラに向かう。
「同じ水属性!有利不利は無いけどこれはどうかしら?天衣開放・オニュクス・クロス!」
彼女は天衣解放を発動、シルクに攻撃を仕掛けていたセラに迫る。
「ぐあああああああああああああ!」
オニュクス・クロスがセラを捉え、彼女は苦悶の叫びを上げた。
「そう言えば聞いた事ある・・・エクスタシオを、マスターを介さない専用の天衣を持った女の子がいるって・・・あの娘がそうなの?」
そう、黒いエンゲージ、ネプチューンクロスは彼女専用の天衣。唯一無二の物だった。そして戦いはミントの加勢により、防戦一方から一進一退の様相を呈してきた。