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Lovin 'you after CCA 7

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Lovin 'you after CCA 7


テロ事件から一年、ネオ・ジオンの本拠地であるスウィート・ウォーターは、大きな事件も無く、穏やかな時間が流れていた。
「アスラン!ルーク!」
アムロとシャアの双子の息子たちも、元気にすくすくと育ち、先日一歳の誕生日を迎えた。
「どうした?アムロ」
双子の名を叫ぶアムロの元に、何事かとシャアが声を掛ける。
「ああ、ごめん。二人がまた逃げたんだ。」
ため息混じりにアムロが言うのを、シャアがクスクスと笑いながら辺りを見渡す。
「あのアムロ・レイから逃れるとは中々やるな。」
「笑い事じゃないよ!これから予防接種に行かなきゃいけないのに!」
焦るアムロにシャアは「シーッ」と言うと、テーブルを指差す。
視線を向けると床まであるテーブルクロスがゆらゆらと揺れている。
二人はそっと近寄り、ゆっくりとクロスを捲ってテーブルの下を覗き込む。
すると、その下では金髪の子供二人が身体を丸めて座り込んでいた。そして、アムロと視線が合った途端、ウルウルとその琥珀色の瞳に涙を浮かべる。
「やー!」
抱き合いながら「嫌だ」と訴える双子に、アムロが大きな溜め息を吐く。
「はぁ、予防接種に行くなんてまだ理解出来ないだろうに、どうしてこんなに感が鋭いんだか。」
呟くアムロに『君の子だからだろう』と思いながら、シャアが二人をテーブルの下から抱き上げる。
両手に二人を抱えると、双子は必死にシャアにしがみつく。
「お前たち、お父さんなら助けてくれると思ってるんだろ?全くもう!」
「「あう!」」
二人揃って返事をする双子にアムロがガックリと項垂れる。
「アムロ、そうガッカリするな。今日は私も夕方のレセプションまで時間があるから、一緒に病院に行こう。」
「本当!助かるよぉ。この子達ってば本当にじっとしてなくて!カイルやライラは結構大人しかったんだけどなぁ〜。」
既に出掛ける前からグッタリしているアムロに近付き、そっと頬にキスをする。
「いつもご苦労様。ありがとう。」
「シャ、シャア!?」
真っ赤になるアムロに微笑むと、双子たちがシャアに向かって「ちー!ちー!」と訴える。
どうやら自分達にもキスをしろと言っているらしい。
シャアはクスクス笑いながら、その柔らかな頬にそれぞれキスを贈る。
すると、二人は嬉しそうにクリクリとした琥珀色の瞳を輝かせた。
父親譲りの金髪と母親譲りの琥珀色の瞳を持つ双子、「夜明け」という意味を持つ名の兄、アスランと「光を導く者」という意味を持つ名の弟、ルーク。
人類の光り輝く未来を願って名付けられた二人は、大きな病気をする事もなく、元気に育っていた。
「二人ともお父さんが大好きだなぁ」
「お母さんも大好きだぞ。君の姿が見えないと二人ともキョロキョロと探してる。」
とは言え、二人ともニュータイプの素質があるのだろう、姿は見えなくとも、アムロの気配を感じた途端、落ち着きを取り戻してまた好き勝手に動き出す。
「ははは、まぁいいや。さぁ、行こうか!」

病院に着くと、流石にロビーが騒つく。
総帥が子供を抱いて歩いているのだ。注目を集めても仕方がない。
「しまった。貴方が目立つ人だって事忘れてた。」
アムロが額に手をあて呟く。
「今日は私服なのだがな。」
「そんなの関係ないだろ?」
「そうかな?それに目立つのは君も同じだろう?」
「はぁ?何言ってんの?」
「いつも思うが、君は自分の魅力を分かっていなさすぎる。」
「ば、ばか。こんなとこでそんな恥ずかしい事言うな!」
そんな会話を交わす二人の元にアルが駆けて来る。
「ちょっと!二人とも!自分達が有名人だって事もっと自覚して下さいよ!」
「アル!」
嬉しそうに微笑むアムロにシャアがムッとする。
「アルフレッドか、すまないな。」
「何ですかその棒読み。全然すまないって思ってないでしょう?」
アルは呆れながらも四人を別室に案内する。
「ここでちょっと待ってて下さい。小児科の先生を呼んできます。」
「え!?アル!そんなの悪いよ!ちゃんと待合室で順番を待つから!」
アルは扉に掛けた手を外して溜め息を混じりに振り返る。
「アムロ、気持ちは分かるけどスタッフの為にも僕の指示に従って欲しい。そんな派手な人が小児科の待合室にいたらパニックだよ。それに双子達も元気すぎるしね。」
そう言ってアルの指差す方を見ると、いつの間に移動したのか、一人はテーブルの上に這い上がり、もう一人はソファの背もたれから落ちそうになっている。
「わぁぁぁ!アッシュ!ルーク!!ちょっとシャア!ちゃんと見ててよ!」
「あああ、すまない」
何とか二人を抱き上げ、はぁぁぁっと溜め息を吐く。
「子育てとは本当に大変だな。」
しみじみ語るシャアに、アムロがクスリと笑う。
「そうだね。小ちゃいうちは本当に手が掛かるから…。まぁ、この子達は特にだけどね。二人って事もあるけど、やっぱり性格かなぁ。本当にじっとしてないよね。カイルやライラはここまで凄くなかったよ。」
「カイルやライラの時はどうしていたのだ?」
「ん?カイルはしばらくセイラさんのトコで世話になってたから、そこで予防接種も検診も出来たし、ライラの時もアルが主治医だったからね。」
「そうか…。」
「まぁ、大きくなっても心配は尽きないよ。」
アムロは少し思案して、ゆっくりと口を開く。
「ねぇ、シャア。カイルは…本当に貴方の後を継ぐつもりなのかな?」
「……そのつもりらしいな。事実、中々筋が良い。テロ事件の時の対応も完璧だった。あのナナイが絶賛していたぞ。」
「そっか…」
「強要するつもりは無いのだが、期待をしているのも事実だ。」
「うん…」
「そう心配するな。もしもこの先、他にやりたい事が見つかったら好きにして良いとは言ってある。カイルの人生だ。カイルの好きに生きれば良い。」
「うん。そうだね。」
ジオンの血の縛られる事なく自由に生きて欲しい。それは、シャアとアムロ、二人の想いだった。
「それよりアムロ。ルークが君のハロを解体しようとしているぞ。」
「え!?」
見るとハロを捕まえて玩具のドライバーで叩いている。
《ルーク!ヤメろ!ハロ、コワレル!アムロ!タスケロ》
「あああ、ルーク!やめなさい。ハロが嫌がってるよ。」
ハロを取り上げるとルークが怒る。
「あ?やぁぁぁルーの!」
「はいはい。分かったから。って、アッシュ!それコーヒー!飲んじゃだめ!」
横ではアスランがコーヒーを飲もうとしている。
これまた取り上げると、こちらも「やぁぁぁ!アーの!」と、愚図り始める。
そうこうしていると、アルと共に小児科医が現れ、どうにか予防接種を終えることが出来た。

家に着いてシャアと二人、グッタリしていると、また双子がもぞもぞと動き出した。
「はぁ」と、溜め息を尽きながら立ち上がろうとした所にライラが現れる。
「アッシュ!ルーク!」
ライラの声に双子の動きがピタリと止まる。
「こっちにいらっしゃい」
ライラがベビー用のテーブルと椅子を指差して二人を呼ぶと、それまで好き勝手に動き回っていた二人が素直にそこまでハイハイして行く。
「え?」
その様子にアムロが唖然とする。
作品名:Lovin 'you after CCA 7 作家名:koyuho