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Lovin 'you after CCA 7

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ライラは二人を座らせると手を拭いてやり、おやつをそれぞれのお皿に入れて差し出す。
「おやつ食べる?」
「「あう」」
答える二人にニッコリと微笑む。
しかし、勝手におやつに手を伸ばすルークの手を思い切り叩く。
「め!いただきますしてないでしょう?」
「あい!」
ルークは背筋を伸ばし、ライラに向かって素直に謝る。
「さぁ、二人とも、いただきますは?」
「「あい!ます!」」
二人はきちんと手を合わせ、声を揃えて叫ぶ。
「はい。よく出来ました。どうぞ、召し上がれ」
二人はライラの目を見てOKが出たのを確認するとようやくおやつに手を伸ばし、食べ始めた。
その様子にアムロもシャアも言葉が出ない。
「どうしたの?お母さん」
「あ、いや。ライラ凄いね…。」
「そう?二人共いつもちゃんと言う事聞くよ?」
「あ…そうなんだ…。」
『私に対する態度と全然違うぞ!二人とも〜』
アムロが心の中で双子に叫ぶ。
双子は一瞬アムロに振り向くと、ニッコリと笑って再びおやつに視線を戻す。
『こんなトコで意思疎通できても嬉しくない!!』
ガックリと肩を落とすアムロをシャアは気の毒そうに見つめる。
「あの歳で既に従うべき相手を見極めているとは…。流石だな。」
訳のわからないことを呟くシャアを一瞥すると、アムロはちょっと休むと言って寝室に引っ込んでしまった。
「お母さん、大分お疲れね。」
「…そうだな…」
『我が家で一番強いのはライラだな』、と思うと同時に、なんだか少しアルテイシアに似てきたような…。と、愛する妹を思い出すシャアだった。



「アムロ、起きなさい。そろそろレセプションの準備をしなくては。」
「え?それって私も出るの?」
目を擦りながらアムロが起き上がる。
「そうだよ。ナナイから聞いていないか?」
「あ…そう言えば聞いたかも。今日は予防接種に行かなきゃって、それにいっぱいいっぱいで……ごめん直ぐに準備するよ。」
のそのそとベッドから起き上がり、シャワー室へと入っていくアムロの後ろ姿を、ため息混じりに見送る。

ブルーのドレスに着替え、準備を終えたアムロを見つめてシャアが微笑む。
「綺麗だ。やはり君にはブルーが似合う。」
「何言ってんだか。貴方のが素敵だよ。」
互いに見つめ合うと、そっと抱き合いキスを交わす。
更にキスを深めようとするシャアをアムロが必死に押し留める。
「ちょっと!シャア!口紅が移っちゃうよ!それに時間もギリギリ!」
残念そうに離れるシャアの唇に付いた口紅をそっと指で拭うと、軽く触れるだけのキスをする。
「また後でね」
その言葉に、シャアが思い切りアムロを抱き締め、首筋に口付ける。
「シャア!?」
「アムロ…その言葉、忘れるな?」
シャアに耳元で囁かれ、アムロの頬が真っ赤に染まる。
「大佐、アムロ大尉、そろそろお時間です。」
そこにナナイが現れ、二人を見ると小さく溜め息を吐く。
そして、シャアにハンカチを差し出す。
「大佐、口紅はキチンと拭って下さい。」
次に、アムロの前に行くとファンデーション取り出し、首筋に塗り出す。
「ナナイ大尉!?」
「大佐、アムロ大尉を取られたくないのは分かりますが、公の場でマーキングを見せつけるのは頂けません。」
淡々としたナナイの言葉にアムロの顔が更に真っ赤に染まる。
「ナナイ大尉ぃぃ」
半泣きのアムロにナナイがそっと微笑む。
「はい、これで大丈夫です。それでは参りましょう。」
二人で車に乗り込むと、シャアがそっとアムロの手を握る。
「たまには母親から女性に戻ってデートするのも悪くないだろう?」
微笑むシャアに、子育てに追われるアムロをリフレッシュさせる為にこのレセプションへの出席を決めてくれたのだと気付く。
「シャア…ありがとう。」
「本当はプライベートでデートしたかったのだがな。まぁ、今日はそんなに堅苦しいものではないから楽しもう。」
「うん!」
二人を乗せた車は、華やかな明かりの灯る会場へと消えていった。


翌朝、ベッドから起きられないアムロの代わりに、シャアが双子を前に奔走する。

「総帥やってるお父さんとのギャップが凄いな。」
「そうね…。でも、私はこっちのお父さんも大好きよ。」
「そうだね」
それを遠目に見ながらカイルとライラが呟く。

数年前には顔も知らなかった父親。
全てに絶望し、隕石を地球に落とそうとしたネオ・ジオンの総帥。その父を心から愛し、命を懸けて救った母。
二人の命懸けの戦いを、ただ、ラー・カイラムの艦橋で見つめる事しか出来なかった無力な自分。
あの時の不甲斐ない思いを二度としたくない。だから、僕は強くなりたい。カイルはぐっと拳を握り締める。
そして、こんな普通の幸せをこれからもずっとみんなが送れるようにしたい。
それが…僕の願い…。



end

作品名:Lovin 'you after CCA 7 作家名:koyuho