静雄さんは心配性!
今は接し方がわからないから過剰な保護に走ってしまっているだけで、そのうち静雄も慣れてくるだろう。その間だけ、彼の心配性に付き合えばいい。
だから、禍根を残さないためにも、一つだけ押し通しておかなければいけないことがあった。
「でも、学校には行きたいんです」
「………」
「僕は高校生です。親や友達に心配かけるのも、中卒になるのも嫌です」
「でも、危ない」
「学校の中はさすがに折原さんも入ってきませんよ。もしも、万が一、何かあったら絶対連絡します」
「行きは俺が送ってく。帰りは俺かセルティに頼む。それでもいいか?」
「はい」
「なら、明日からはちゃんと連れてってやる。今日は無断欠席させちまって悪かったな」
「連絡入れときましたし、大丈夫ですよ」
最大の心配事が解消されたので、帝人は含みのない笑顔を浮かべた。静雄も口元を緩めて笑ってくれた。二人は互いに(かわいいなあ)と思いながら、微笑みを交し合っていた。
こうして、帝人の監禁生活(?)は始まった。
しかし、最大の問題は、静雄の異常な心配性とそれを受け入れる帝人の許容量が、世間ではなんと呼ばれる感情からくるのかを、当人達がかけらも理解していないことだと、彼らも彼らを取り巻く人々も全く気づいてはいなかった。
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たぶん続きます。次はセルティさんのターンのはず。