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はじまりのあの日7 線香花火と約束

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バーベキュー禁止のエリアで、行う不逞の輩。TVに写し出され、逆ギレ。ヘリクツをこねている。あの日、わたしたちがした、野外の食事会。不法な場所などではなかった。マナーを守れば楽しいものを。規則を遵守すれば快適なものを。なぜ、この程度のルールを守れないのだろう。ちゃんと守ったわたし達。閻魔様からのご褒美だったのかな。いや、お地蔵様からの贈り物なのかもしれない。楽しかった、浜辺での晩餐会。さて、行ってきましょう、記憶の部屋へ。彼と見た夕日、ほんとに綺麗だった。その後の線香花火。嬉しかった、彼の素敵なお気遣いが―

「おはよ~う、がっくん、みんな~」
「おはよ、リン。今日も良い天気じゃない」
「リン、朝からテンション高いな~」

待ち合わせたホール。みんなに、彼に、挨拶をする。朝が弱い片割れから、そんな返事が返ってくる。花火大会翌朝、朝食会場へと向かうため集合する。館内では、寝間着浴衣の移動が許されているため、みんな浴衣のまま

「今日も楽しみ~がっくんのふるさと~」
「まあ、暮らしてたのは別の街だけどな。どっちかって言うと、お膝元って感じじゃな~い」

わたしの頭に、手を乗せてくれる彼

「でも、でも~。よく遊びに来たよね、ぽ兄ちゃん」
「あにさまのお弁当もってお花見」
「海水浴にも来たよな~」

めぐ姉達が、思い出を語ってくれる

「花見や花火大会なんて、地元でもやるのにな。でも、楽しかったじゃない、めぐリリカルとこの街に来てさ。な~んにもない街だけどな」
「ぽ兄ちゃん、そんなこと言ったら失礼だよ~。わたし達の街だって、コレと言ってないんだから、特色」

めぐ姉、可笑しそうな顔で

「でも、観光案内してくれるってことは、観るところあるんだよね、がくさん」
「楽しみだよ~神威のに~さん。ただ、ぉなか空いてきた~」
「おれも~IA姉。メー姉、まだ起きないのかな~」
「後はメイコ殿と、ルカ殿だけでゴザルナ」

紫様の背中ににのしかかるミク姉。こういう甘え方は珍しい。あの日はまだ『嫉妬』をすることはなかった。何となく気にはなったけど。IA姉も、彼の胸にのし掛かる

「まあ、それなりにな。考えてはいるじゃない。てゆ~か、熱い」

苦笑いで二人を引きはがそうとする。すると、めぐ姉やカル姉も加わって、紫様にのしかかる。もちろんわたしも。しまいには、カイ兄やレンまでふざけて。最終的には、たまりかねた彼が、レンを抱き上げ、脇の下をくすぐりまくって、レン撃沈。花火の後も、しこたま飲んでいためー姉。ルカ姉に肩を借り、やって来たのは、その五分後のこと

「は~おは~」
「案の定だが、メイコ。二日酔いだろう」
「その通りですわ、神威さん。中々起きてくださらなくて」
「ふっふ~。いいじゃな~い、オフの時くらい~」
「まったく、め~ちゃんは。さて、行こっか殿」

朝食会場へ歩きだす。温浴施設に、漂う美味しそうな香り。用意されていたのは米所、越後の白飯。お味噌汁、アジの干物。卵焼きに青菜のおひたし、小さいながらも納豆。海苔の佃煮に、お漬け物まで付いた朝ご飯。たいそう豪勢。少し以前のわたしなら、文句をつけただろう、純和食。紫の彼が来て、作ってくれた和食のおかげ。いまではすっかり、お米の虜。いただきますの大合唱。手を合わせて感謝を捧ぐ

「ういひ~ね、かっくん(おいしいねがっくん)」
「頬張るリス状態じゃない。たくさん食べろ、リン、レンも。勇馬、食べてるか~」
「食ってすっ。めっちゃ美味ぇっす」

干物で思い切り白飯を口に。頬に付いたご飯粒を取ってくれ、自分の口に入れる。対面はじの勇馬兄、言ってからこちらも盛大に白飯を頬張る

「よしよし、イイコだ。が勇馬『食う』とか言うな。俺達は命を頂いてるんだ」
「ふ、ふぁ~へん(っす、サ~セン)」

腕白な弟に言うようなやり取り。笑っている彼、笑い合う面々

「こ~いうのが嬉しいわ~。二日酔いにてっきめ~ん」
「だから、め~ちゃん、飲み過ぎだってば~」

味噌汁を含むめー姉。苦笑するカイ兄

「おいしいですわ~あおさのお味噌汁。磯の香りですわね」
「海苔のツクダニ、逸品でゴザルナ。拙者、おかわり行くでゴザル」
「海がすぐ側、お魚うまうま。神威のに~さん達が羨ましい」

ルカ姉は、どちらかと言えば洋食派だった。大間産は別として。わたし達の故郷も、食文化は土地に特化したものがある。和洋混交、西洋と大和の食事が入り交じった感じ。だから、洋食好きの人も多いのだ。ところが、彼の作ってくれる、絶品和食。これのおかげで好き嫌いが無くなった。アル兄、IA姉は初めから虜に。海がない土地に暮らすわたし達。魚の鮮度は、やはり叶わない。みんなで、海の恵みに舌鼓

「「「「「「「「「「ごちそうさまでした~」」」」」」」」」」

楽しくて、賑やかな朝食を済ませ、ホテルを引き払う。午前中にスタッフ、プロデューサーは帰還。わたしたちは、三泊四日。オフが与えられた。朝食を終え、着替えのため、一度部屋に戻る