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第二部7(80)禁域

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招待した学内演奏会にマリア・バルバラの姿はなかった。

ー 招待状を渡した時は、喜んでくれていたのに…。風邪でも引いたかな?

演奏を終えたダーヴィトは客席をざっと見渡し、彼女の姿がないのを確認すると、そう合点した。

学内演奏会の後のミサの最中ー。

「おい、ダーヴィト」
隣に座った同級生がダーヴィトの制服のブレザーの肘を引っ張り低く耳うちした。

「何だい?」

ダーヴィトに耳うちしたのは、この街の名士の息子ー、ハインリッヒ・フォン・ネトケだった。

ハインリッヒは、そのまま声をひそめてダーヴィトに問いかけた。

「お前、ここ最近ー、ユリウスの姉上殿、マリア・バルバラさんと随分親密に交際しているんだってな」

「…ああ。で?」

険しい顔で声をひそめて話しかけてきた同級生のに、何事かと構えたダーヴィトだったが、その質問に一瞬呆気に取られた後、そのままの事実を簡潔に答えた。

「で?…って。お前、一体どういうつもりだよ?何だって彼女なんかを…」

「おいおい…。彼女なんか は随分な言い方だなぁ。理知的な魅力的な人だよ」

「あ、あぁ。悪かった。だけど、もうすぐ30だぜ?彼女。お前だったら、もっと…若くて可愛い子がよりどりみどりじゃあ。…って、まぁそれはいいや」

「だね。僕は美しさイコール若さという女性には興味がないよ。何だって、僕と彼女の事を勘ぐったりするんだい?」

「お前とマリア・バルバラさん、噂になってるぞ?こないだうちのお茶会に、あそこの下の令嬢ー、あの食虫植物みたいなユリウスの姉ちゃんが来たんだよ。その時に彼女がお茶会の招待客にこぼしてたせ?「ウチの姉の所に最近失踪した弟の先輩だったいうゼバスの学生が頻繁に訪ねてきて、姉が年甲斐もなくのぼせ上っていて見苦しい。分をわきまえて身を慎んでほしい」ってな。よく言うよな〜。自分だってしょっ中取り巻き連れて遊び回ってるくせにさ」

ー なるほど。…そういう事か。

このアーレンスマイヤ三姉妹の中の娘は、どうも胡散臭い所が多い。

下男に命じてダーヴィトの行動を見張らせているようだし(尤もこの下男も胡散臭い事でいえば、単にアネロッテの命令だけに従っているとは言えないようで、アネロッテ以上に意図が読めない部分があるのだが)、財産への執着は執事にも警戒心を抱かせるほどである。

ー 何かと目障りな存在の僕を…彼女から引き離しに来たわけか。

ダーヴィトが心の中で納得する。

「おい、何かニヤニヤしてんだよ。ったく。笑い事じゃないぜ?ウチの母親がさ、早速いいお節介のタネを見つけたとばかりに張り切っちゃってさ。したり顔で、「マリア・バルバラさんには呉々も身を慎むように忠告しておかなくては」とか言っちゃってさ。それだけじゃないぜ?早速モーリッツのおっかさんらに触れ回って、「その学生さんにも、慎むよう学校からも厳重に処分を検討してもらわなくては」とか言ってさ、直ぐにでも学校へ乗り込みかねない勢いだったぜ?ホンット、萎えるよな〜。女って…歳とるとみんなあーいう風になるのかな」

ー あー、イヤだイヤだ。

小声で一通りダーヴィトに忠告すると、先程からこちらを睨みつけながら「ゴホン」と咳払いを繰り返す司祭の先生を意識し、おもむろに神妙な顔を作ると、ことさら熱心に祈りを捧げ始めた。

作品名:第二部7(80)禁域 作家名:orangelatte