第二部19(92) Gift
ダーヴィトが警察署を訪ねると、刑事は珍しくデスクに向かって書類仕事をしていた。
部屋に入って来たダーヴィトに気付き、顔を上げる。
「…早速何かあったか?」
刑事が部屋の一角を区切った衝立の中にダーヴィトを招く。
「突然で悪いが、これを分析してほしい。…これが毒物かどうかを。出来れば急ぎで」
ダーヴィトがマリア・バルバラの部屋から持ち出した薬を刑事に差し出す。
「…」
刑事はその瓶を受け取り、相変わらず無表情な顔でダーヴィトを見つめる。
「これは…どこから持ってきたんだ?」
「アーレンスマイヤ家の…マリア・バルバラの寝室からだ。彼女が最近大怪我を負ったのを知っているだろう?その内服薬だ」
「…早くても一週間ほど時間がかかるが、いいか?」
「…もっと急げない?」
「無茶言うなよ。こっちだって色々と…ふまなきゃなんねぇ手続きがあるんだ。…だがな、お兄さん。これが何の毒かを解析するには、ちょいと時間がかかるかもしれんが、これが毒なのかどうかを判断するのは、簡単なことだ?」
「??」
首を傾げたダーヴィトをしり目に、刑事が部屋にいた若い刑事に
「おい、ネズミ捕りを持ってこい!」
と命じた。
部屋に入って来たダーヴィトに気付き、顔を上げる。
「…早速何かあったか?」
刑事が部屋の一角を区切った衝立の中にダーヴィトを招く。
「突然で悪いが、これを分析してほしい。…これが毒物かどうかを。出来れば急ぎで」
ダーヴィトがマリア・バルバラの部屋から持ち出した薬を刑事に差し出す。
「…」
刑事はその瓶を受け取り、相変わらず無表情な顔でダーヴィトを見つめる。
「これは…どこから持ってきたんだ?」
「アーレンスマイヤ家の…マリア・バルバラの寝室からだ。彼女が最近大怪我を負ったのを知っているだろう?その内服薬だ」
「…早くても一週間ほど時間がかかるが、いいか?」
「…もっと急げない?」
「無茶言うなよ。こっちだって色々と…ふまなきゃなんねぇ手続きがあるんだ。…だがな、お兄さん。これが何の毒かを解析するには、ちょいと時間がかかるかもしれんが、これが毒なのかどうかを判断するのは、簡単なことだ?」
「??」
首を傾げたダーヴィトをしり目に、刑事が部屋にいた若い刑事に
「おい、ネズミ捕りを持ってこい!」
と命じた。
作品名:第二部19(92) Gift 作家名:orangelatte