第二部23(96) 嵐の後
「朝食の支度が整いました」
あのおぞましい―、夜の出来事の余韻冷めやらぬまま、二人寄り添って身じろぎもせず明けゆく外の様子を見つめていたダーヴィトとマリア・バルバラに、執事が朝食を告げに来た。
「分かりました。行きましょう。ダーヴィト」
静かに答えて立ち上がったマリア・バルバラのほっそりとした背中を、ダーヴィトが守るように抱き、二人は食堂へ向かった。
「先生と、それから…刑事さんは、既に食堂へご案内しております」
二人を先導しながらそう伝えた執事に、「それで…いいわ」とマリア・バルバラが低い落ち着いた声で答えた。
あのおぞましい―、夜の出来事の余韻冷めやらぬまま、二人寄り添って身じろぎもせず明けゆく外の様子を見つめていたダーヴィトとマリア・バルバラに、執事が朝食を告げに来た。
「分かりました。行きましょう。ダーヴィト」
静かに答えて立ち上がったマリア・バルバラのほっそりとした背中を、ダーヴィトが守るように抱き、二人は食堂へ向かった。
「先生と、それから…刑事さんは、既に食堂へご案内しております」
二人を先導しながらそう伝えた執事に、「それで…いいわ」とマリア・バルバラが低い落ち着いた声で答えた。
作品名:第二部23(96) 嵐の後 作家名:orangelatte