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Lovin’you after CCA11

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Lovin’ you afterCCA11


スウィート・ウォーターの街が色とりどりのイルミネーションで彩られ、街の中心にある広場には大きなクリスマスツリーが煌めく。
もうすぐクリスマスを迎える街は、人々の喜びと笑顔に溢れている。

「お母さん、プレゼントはこれで全部?」
両手に紙袋を抱えたライラがアムロを見上げる。
「うん。あとは双子の分かな」
「それじゃ、あそこのオモチャ屋さんに行きましょ!」
「そうだね」
賑わう街を、アムロとライラが両手にプレゼントを抱えて歩く。
「アムロ大尉、とりあえず荷物を預かります。エレカに積んで来ますので、そこのカフェで休憩していて下さい」
アムロ達のボディーガードが、荷物を受け取りエレカへと運んでいく。
それを見ながら二人は言われた通り、目の前にあるカフェに入って一休みする。
「ふぅ、結構歩いたね」
「ホント、でも良いのが買えて良かったね」
「そうだね。ライラのお陰だよ」
暖かいココアを飲みながら、二人でホッと一息つく。
「そういえばお母さん、お父さんの分は用意したの?」
ライラの問いに、アムロが小さく溜め息をつく。
「実はまだなんだ…。何をあげたら良いのか全然思い付かなくて」
ココアをスプーンでかき混ぜながら悩むアムロに、ライラは心の中で思う。
『首にリボンをつけてお母さんをプレゼントするのが一番喜ばれると思うけど』
流石に口に出せず別の提案をする。
「いつも身に付けていられるのもとか使える物とかが良いんじゃない?」
「そうか…そうだね。ありがとう!ライラ。その線で考えてみるよ!」
微笑む母の顔に、ライラは少し胸が熱くなる。
二年前、双子の出産で母は命を落としかけた。
何も知らなかったとは言え、自分がそのきっかけを作ってしまったのだ。
「ライラ?」
黙り込んでしまったライラに、アムロが声をかける。
「あ、ごめん。何でもない」
アムロは席を立つとライラの隣に座り、そっとライラを抱きしめる。
「どうしたの?大丈夫だからね」
その母の温もりに、ライラはホッと息をつく。
「うん。お母さん、大好き」
アムロにギュッと抱きつき頬をすり寄せる。
「ふふ、私も大好きだよ」
「お母さんは暖かいね…」
「そう?」
「うん」『生きててくれて良かった…』
ライラの瞳に涙が少し滲む。
そんなライラをアムロは優しく抱き締めた。


買い物を終えた二人は、家に帰ると早速クリスマスツリーの飾り付けを始める。
それを見た双子達が駆け寄ってきた。
「ああ!僕も飾る!」
「僕も!」
二歳になった双子が、一斉にオーナメントを手に取りツリーへと飾り付けていく。
広いリビングにシャアが用意したのツリーは、それなりに大きくて、四人でも結構な大仕事だ。
それでも四人は楽しげにオーナメントを飾り付けていく。
大方飾り付けが終わって、最後に天辺に飾る星が残った。
「脚立に乗らなきゃ届かないね」
そこにカイルが通りがかる。
「あ、カイル!この星を天辺に付けて欲しいんだけど」
アムロがちょうど良いとばかりにカイルに声を掛ける。
「星?ああ、良いよ」
カイルはアムロから星を受け取ると、少し背伸びをしただけで天辺へと星を飾り付ける。
今年、十二歳になったカイルは気付くとアムロの背を追い越していた。
「カイル、また背が伸びた?」
「あ…そうかも。最近お腹が空いて仕方ないんだ」
「ははは、成長期だね。お父さんが大きいからカイルも大きくなるよ」
「うんっ!お父さんは絶対抜いてみせる!」
なぜか拳を握って力を込めるカイルに笑いが込み上げる。
「お父さんを追い抜きたいの?」
「もちろん!背もだけど、それ以外もお父さんよりも出来る男になりたい!」
「だ、そうだよ?お父さん」
そこには複雑な表情を浮かべたシャアが立っていた。
「それは宣戦布告と、とって良いのか?カイル」
「もちろん!」
その答えに、シャアが不敵な笑みを浮かべる。
「受けて立とう。そう易々と超えられると思うな?」
「目標が大きい方が燃えます!」
まだまだ背はシャアに及ばないが、その志は父に勝るとも劣らない。
「良かろう。全力でかかってこい!」
「はい!」
その二人を、アムロがクスクス笑いながら見つめる。
「二人とも、そろそろパーティの準備進めたいんだけど?」
今夜、親しい友人を招いて内輪のクリスマスパーティを開くのだ。
「さぁさぁ、次はお部屋の飾り付けとテーブルセッティングよ!」
ライラが皆を仕切りながら準備を進めていく。

夜も更けて、招待客達が次々と家の門をくぐる。
「ようこそ!」
着飾ったライラとカイルが招待客を迎える。
「おお、カイル!ライラ!久しぶりだな」
「エドおじちゃま!」
エドヴァルド・レイブンが両手を広げ、カイルとライラにハグをして頬にキスを贈る。
そのエドにライラとカイルもキスを返す。
「おお、カイルはいい男になったな!ライラも立派なレディだ!」
「エドおじさんも元気そうで何よりです」
「エドおじちゃまも素敵よ!今日は楽しんでいってね」
「ああ、ありがとう」
次にブライトとジュドーが手土産のお酒を持って現れた。
「カイル!ライラ!メリークリスマス!」
「ブライト艦長、ジュドーさん、ようこそ」
ブライトは二人と挨拶を交わすと、ホストであるシャアとアムロの元へと足を向けた。
それを見送ると、ライラの大好きな気配が扉の前に現れる。
「アル!」
アルが扉を開けると同時にライラがアルへと飛び付く。
「メリークリスマス!ライラ」
アルがライラの頬にキスをしながら優しくハグをする。
「メリークリスマス、アル!」
「ふふ、なんだか不思議だね。昔は一緒にお祝いしてたのに、今日はお客さんだなんて」
少し寂しげに語るアルに、ライラがギュッと抱きつく。
ライラが生まれる時、シングルマザーのアムロが違和感なくアナハイムへと入れるようにと、アルとアムロは偽装夫婦として偽の戸籍と住基IDを作成し、一緒に月へと移り住んだ。
アクシズショックと言われたあの日まで、アルは父親としてライラとカイルと共に暮らしていたのだ。
「今でも私にとってアルは大切な家族よ」
「ライラ…」
その言葉にアルの瞳に薄っすらと涙が浮かぶ。
「うん。ありがとう、ライラ」
そして、その後ろからナナイが顔を出す。
「今夜はお招きありがとうございます」
淡いグリーンのドレスに身を包んだナナイがライラへと微笑む。
「こちらこそ!来て頂けて嬉しいです!」
ライラはナナイへと笑顔を向けて歓迎する。
その時、ふと、ライラはナナイから何かを感じ、その顔をじっと見つめる。そして、一瞬驚いた顔をした後、直ぐに満面の笑みを浮かべる。
「ライラ様?」
「ふふふ、ナナイさん。最近、前にも増して綺麗になりましたね」
「ライラ様!?」
突然の言葉にナナイが動揺する。
「今、凄く幸せなんでしょう?」
無意識にナナイがお腹に手を当てる。
「アル!寂しがる事はないみたい!来年にはアルにも家族が出来そうよ」
ライラの言葉に、アルが目を見開いてナナイを見つめる。
「えっ?まさか…」
アルに向かってナナイが照れながら、そっと頷く。
「ナナイ!本当に!?」
作品名:Lovin’you after CCA11 作家名:koyuho