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Lovin’you after CCA11

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アルは信じられないという表情を浮かべたかと思うと、笑顔を浮かべてナナイを抱きしめる。
「やった!」
アルはナナイの頬を両手で包み込み、思わずキスをする。
「アル、喜んでくれますか?」
「当たり前じゃないか!」
その返事に、ナナイも極上の笑みをアルに向ける。
「凄い!最高のクリスマスプレゼントだ!」
アルの喜びようにライラがクスクス笑う。
「あーあ。私、完全にフラれちゃった。本当は私がアルのお嫁さんになりたかったのに!」
「ライラ…」
アルがすまなそうに見つめるのを、ライラがプっと笑う。
「冗談よ!私もうそんな子供じゃないわ!」
十一歳になり、当然ながら自分の置かれた状況や自分とアルとの関係もきちんと理解できるようになった。
父親の様で、そうでなかった存在のアルはライラにとって一番身近な男性だった。
そんなアルに憧れと、父親の面影を追っていたのだと今は気付いている。
だからこそ、アルとナナイの幸せがこんなにも嬉しい。
「おめでとう!アル、ナナイさん。幸せになってね」
そのライラの笑顔に、アルの瞳から涙が零れる。
「ありがとう、ライラ」
アルはライラをそっと抱き締め。感謝の言葉を告げる。
「ありがとうを言うのは私の方よ。私のお父さんになってくれて本当にありがとう。私、とっても幸せだったわ」
「ライラ!」
ライラはアルの涙をそっと拭うと、ナナイを見上げる。
「ナナイさん、アルをよろしくね」
「ライラ様…。はい、ありがとうございます」
ナナイの瞳からも涙が溢れる。
「さぁ、今日は楽しんでいって下さいね!」
二人をパーティ会場へと送り、エントランスへと戻ったライラの頭をカイルがそっと撫ぜる。
「よく出来ました」
「お兄ちゃん…」
大好きなアルが自分から離れていってしまう事に寂しさを感じるライラを、カイルがそっと慰める。
いつも兄はこうして自分を優しく見守っていてくれる。そして、辛い時、悲しい時、側で支えてくれていた。
両親が死んでしまったかもしれなかったあの時、ラー・カイラムの艦橋で、ギュッと手を握っていてくれた。
自分も不安で潰されそうだった筈なのに、いつでも守ってくれた。そんな兄の優しさが心に染みる。
「お兄ちゃん、いつもありがとう」
「ああ、側にいるから何かあったら言うんだぞ」
「うん」


カミーユとファ、セイラやギュネイ、レズンも集まったパーティはお酒も入り、賑わいを増す。
その中心では、ホストであるシャアとアムロが肩を寄せ合い、皆と語り合っていた。
何年経っても仲睦まじい両親に、ライラが小さく溜め息を吐く。
「ちょっと羨ましいな」
視線を移し、我が家の小さな怪獣達を探す。
「あの二人、また何か悪さしてないかしら?」
双子達を探していると、ツリーの側でジュドーが双子達と何やら遊んでくれている。
「ルークとアッシュはジュドーさんが遊んでくれてるの?」
同じく双子を探していたらしいカイルに尋ねる。
「ああ、ジュドーさんって子供の扱い美味いよね。僕たちもよく遊んでもらった」
「そうね。なんて言うか子供の興味を引くのが上手いって言うか、ついつい引き寄せられちゃう」
「それはアイツの思考回路が子供だからだよ!」
二人の会話にカミーユとギュネイが笑いながら入ってくる。
「カミーユさん、ギュネイさん」
「あれ?カミーユさん、ファさんは?」
「ファなら今アムロさんのトコだよ」
カミーユの視線の先を見ると、アムロとファが楽しそうに話している。
「カミーユさんとファさんてお付き合いしてるんですよね?結婚とかまだしないんですか?」
「けけけ、結婚!?」
カミーユが激しく動揺して後ずさる。
その横でギュネイも目を見開く。
「カミーユ!お前彼女いるのか!?」
「彼女どころか一緒に暮らしてますよね?」
「ええええ!!」
「ギュネイさん、知らなかったんですか?」
「初耳ですよ!本当か!?カミーユ!」
「ま、まぁそうだけど……でも結婚って…。なんて言うか昔っから一緒にいるから改めてそう言うのって…」
「えええ!ファさんはカミーユさんが言ってくれるの待ってると思うんだけどなぁ」
「そ、そうかな…」
「そうに決まってます!明日のクリスマスは二人で過ごすんでしょう?その時にプロポーズしたらどうですか?」
「プププ、プロポーズ!?」
その単語に、カミーユが顔を真っ赤にして言葉に詰まる。
「はい!ファさんきっと喜びますよ!ね?お兄ちゃん」
「そうですね。僕もそう思います」
にっこり微笑むカイルに、カミーユも小さく息を吐くと覚悟を決める。
「…考えてみる」
カミーユはブツブツ言いながらテラスの方へと歩いて行ってしまった。
「大丈夫かしら?」
「多分、大丈夫だと思うよ」
「カミーユの奴そんな相手が居たなんて!」
ギュネイが悔しそうに叫ぶ。
「カミーユさんだけじゃなくてジュドーさんも彼女いるよ。ほらっ、あそこにいる髪の長い美人さん。確かルー・ルカさんだっけ?」
ライラの指差す方に目を向けると、長い綺麗な髪をなびかせた美人がジュドーに話し掛けている。
「嘘だろ!?」
「嘘じゃありませんよ」
サラリと答えるカイルに、ギュネイががっくりと肩を落とす。
「何だよ!独り身は俺だけかよ!明日のクリスマス、一人で過ごすのは寂しいから奴らを誘って飲もうと思ってたのに!」
「安心しろ、お前は明日出勤だ」
「え?」
ギュネイが振り返ると、シャアがクスクス笑いながら立っていた。
「大佐!」
「えー、お父さん。それはギュネイさんが可哀想よ」
ライラの言葉にギュネイがコクコクと頷く。
「一人寂しく家に居るよりはいいだろう?」
「や、それは嫌ですけど仕事も…」
「それなら私がギュネイさんとお付き合いする!それならいいでしょ!」
「「「良くない!!!!」」」
シャアとカイル、そしていつの間に側に来ていたのか、アルの声が一斉に重なる。
アルがライラとギュネイの間に入って二人をグイッと腕で押して引き離す。
「ドクター!?」
「アル!?」
「ウチの娘をそう簡単にはあげられません!!」
そんなアルにライラの胸はキュンと高鳴り、アルの腕をギュッと掴む。
「ううう、やっぱりアルが好きかも!」
「ライラ!?いや、僕は父親としてね!」
焦るアルに、今度はシャアが叫ぶ!
「何!?アルフレッド!貴様にはナナイがいるではないか!」
「だからクワトロ大尉、僕は父親として!!」
「大佐!大体ライラ様まだ十一歳ですよ!流石にそんなに守備範囲広くありませんよ!」
「「「何!?ライラでは不服だと!?」」」
「わー!すみません!!」


その様子を、離れたところからアムロとナナイ、そしてファが笑いながら見守る。
「ライラ様は三人の保護者の許可が無ければお付き合い出来そうもありませんね」
ナナイの呟きにアムロとファが同意する。
「ホントだね」
「でも三人ともスペックが高過ぎて、それを上回るような人でないといけないなんて、ライラちゃんとお付き合いする人は大変ですね」
「でも三人とも何だかんだでライラに甘いからきっと根負けして認めちゃうんじゃない?」
「そうですね」
「それよりナナイさん、おめでとうございます」
「あ、おめでとう!ナナイ大尉!」
アムロもナナイに微笑む。
作品名:Lovin’you after CCA11 作家名:koyuho