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こらぼでほすと 秋刀魚9

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「俺は正面から行く。誰か援護頼む。」
「私が紅と同時に正面へ行く。ラクスはシンとは逆から行くか? 」
「はい、そうしましょう。みなさん、どこからか一緒にお願いします。」
 残っている騎馬をまとめて、ゆっくりと動き出す。全員でかからないと悟空と紅が飛べないからだ。一桁組とトダカたちも、同様に動く。紅の騎馬が三蔵たちの前に走ってくるが、これはスルーだ。紅が飛んだところで坊主がハリセンで馬の爾燕の顔をぶっ叩く。そこへシンが空中戦で飛んで来るが、八戒が悟空と共に気功波で退け、その間に三蔵組も背後に下がる。爾燕は、なんとか踏ん張ったが、紅のほうが空中で気功波を受けて地面に転がった。
「ちっっ、サルは避けたか・・・・悟浄、そこいらの馬を潰せ。」
「あいよ。八戒、そっちは任せた。」
「了解です。」
 一応、手加減はしているが容赦はない。坊主はハリセンで馬の横っ面を張っているし、悟浄は蹴りで近寄る騎馬の足を潰している。騎馬がやられてしまうと大将も失格だ。どんどん数は減っていく。
「さすが、肉弾戦となると強いな。キラ、どうする? 」
「飛び込むところがない。」
「問題はニールだな。」
 わっさわっさと動きまくる三蔵たちの騎馬の上で、ニールは必死に掴まっている状態だ。体力切れして落ちるのを待つというのも戦法だが、はてさて、と、鷹は暢気に構えている。一桁組は、さすがに危険すぎて近寄れなくて待機だ。
 悟空が八艘飛びよろしく、かなり背後から他の騎馬を飛んで近寄った。ニールの帽子に手をかけたのだが体育帽は首にゴムがかかっていて釣り上げられてしまう。ぐえっとニールが顎を押さえてバランスを崩したので手を放す。落としたらケガするからだ。あたふたしているニールを支えたのは悟浄で、「てめぇ、ごらーっっバカサルっっ。」 と、叫んでいる。
「これ、どうやって終わる? 鷹さん。」
 混戦すぎるので収拾のつけようがない。はてさて、と、ハイネが鷹に尋ねると、そろそろ止めるか? と、キラの騎馬が動き出す。
「キラ、リジェネは、どこだ? 」
「えーっと、ラクスの横にいるよ。左へ前進。」
 ラクスの騎馬まで近寄り、ヘルベルトに耳打ちすると、はいはい、と、ラクスの騎馬も動く。リジェネもついてこい、と、命じて、混戦の輪に近寄る。しつこく食い下がっている年少組は無視してヘルベルトが片手でリジェネの襟首を持ち上げて、ひょいと輪の中に投げ込む。
 きゃあーーーーという叫び声でニールが気付いて、リジェネをキャッチした。こんな加重でも三蔵たちの騎馬は、びくともしない。
「リジェネッッ、帽子っっ。」
 キラが叫ぶ、と、リジェネも、はっと気づいて抱き留めてくれたママの帽子を脱がせた。ここで、ハイネが笛をピーッと吹いた。
「うわぁーあざとい技だなあー。」
「それ、反則じゃないですか? ヘルベルトさん。」
 終了の合図で、悟浄と八戒が大笑いしている。人間爆弾は予想していなかった。
「俺じゃねぇーぞ。立案者は鷹さんだ。」
「そろそろ終わらないと怪我人が出るだろ? それに勝者がリジェネなら、いつも通りだ。」
 あんまり加熱すると本気になってしまうので、鷹が、当初から考えていたらしい。リジェネなら軽いからヘルベルトぐらいの腕力なら投げられるので打ち合わせしていた。歌姫様や国家元首様が勝つと面倒になるからのことだ。
「おや、負けましたな。」
「いい塩梅でしょう。あれならカガリ様も文句はないはずだ。」
 一桁組も本気で参戦するつもりではなかったので暢気に拍手している。
「なるほど、いい幕引きだ。」
 トダカのほうも、さっさと騎馬から降りてニールのほうへ走り寄っている。まだ騎馬の上にいるので、降りなさい、と、声をかけた。
「ケガはないかい? 娘さん。」
「大丈夫です。リジェネは軽いから。おまえは? リジェネ。」
「うん、痛くない。初めて帽子取ったよ、ママ。」
「そりゃよかったな。・・・・お疲れ様です、三蔵さん、悟浄さん、八戒さん。すいません、取られました。あははははは。」
 ゆっくりとニールが騎馬から降りてねぎらいの言葉をかける。そこへ周囲も近寄ってくる。
「舅、手を抜きすぎだ。」
「当たり前だ。きみと本気で、ぶつかったら私は死ぬよ。」
 三蔵のほうも適度な運動だったので、タバコに火をつけている。適当に収拾はつけるから、と、鷹からは言われていたので勝負というほどのことではない。悟空は、「ママ、首大丈夫? 」 と、駆け寄って来た。
「うん、悟空が、すぐに手を放してくれたからな。」
「取り方が失敗だった。上からだと、釣り上げちまうんだな。危なかったぜ。」
 悟空も本気ではないから、それほど勝ち負けにはこだわっていない。本気なら確実にニールに蹴りを見舞って落馬させられる。
「三蔵、ハリセンは反則だろ? 目一杯、叩き込みやがったな。」
 爾燕も、やでやでと声をかけてきた。紅も周囲に、お疲れ様です、と、声をかけている。
「目潰ししなかっただけでも、有り難いとおもえ。」
「ああ、そうか。本気だと、そーいうことができるのか。あっぶねぇーっっ。」
「シンも上手に飛んでたけど、まだまだだな。」
「俺は身軽なのはいけるけど、実戦が足りてなかった。悟浄さんの足技もあぶねぇー。レイ、ケガは? 」
「急所を狙われたからケガするほどじゃなかった。ママ、大丈夫ですか? 」
 シンとレイも挨拶している。シンは気功波で飛ばされたが、レイが、きちんと馬上に回収してくれて無事だった。
「さすが、三蔵だ。」
「肉弾戦では敵いませんねぇーカガリ。」
「一発ぐらい拳を入れたかったんだけどなあ。」
「カガリ、これから会議なんですから青アザはダメですよ。反撃されます。」
「そうなんだ。だから、うちの騎馬は正面攻撃させてくれなかったんだ。」
「アスハ、正面攻撃は無理だって。」
「だが、シン、どうせならやりたいだろ? 」
「いや、俺はいい。いつも悟空と組手してるから。自分の限界は知ってる。」
 みんな、それぞれ大暴れしていたので、スッキリはしている。和やかに互いを称えている。やいやいと騒いでいると、拡声器でアスランが、「これで運動会は終了です。別荘のほうで着替えて打ち上げをやりましょう。」 と、叫んだ。みんな、夕方まで走り回っていたので、いい感じに腹は減っている。別荘にも、大きな風呂があるので全員で入っても、なんとかなるし各部屋にも浴室があるから適当に分かれてシャワーを浴びた。着替えは、ちゃんとカガリが以前の浴衣を用意していたし、一桁組も用意していた。吉祥富貴のほうは、着替えが適当に用意してある。
「今日は、ごはん食べて僕らは泊まるけど? 悟空。 」
「明日、朝から帰ればいいよな? カガリたちは、どーすんの? 」
「私も泊まるぞ。おかんの添い寝をする。」
「あら、私も添い寝させていただきますよ? カガリ。」
「じゃあ、僕も参加しよー。リジェネもくる? ラクスのベッドなら寝られるよ。」
「じゃあ、参加する。」
 なんか勝手に決められてるけど、ニールに拒否権はない。亭主は、どーすんのかな? と、視線を投げたら、「明日、一緒に帰る。」 と、おっしゃった。
「一桁組は? 」
作品名:こらぼでほすと 秋刀魚9 作家名:篠義