二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

intermezzo ~パッサウ再会篇1

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 


「今回は…パッサウ経由で帰ろうかと思うんだ」

アレクセイのその提案は、一つには自らが負った残酷な宿命の為に罪人として生きる運命を背負い、そのために二度と故郷の土地を踏むことが出来なくなってしまった可哀想な妻を想い、それならばせめて、20年前ドイツを離れた時に最後に故国の大地に降り立った、あの国境の駅の地を踏ませてやりたかったのと、もう一つには以前にダーヴィトから聞いた彼女の母親がどうやらパッサウにいる可能性があるという微かな情報が心のどこかにずっとあったからだった。

パッサウ経由を提案されたユリウスは、暫し何かを想うような表情を見せた後に、「嬉しい。…懐かしいね。あの駅は…今どうなっているんだろうね」と柔らかな笑みを向けた。

「じゃあ、パッサウでミーチャと落ち合ってそこで一泊して行こう。折角だから聖シュテファン大聖堂でも見物して行こうぜ」

「分かった。じゃあミーチャに手紙を書いてその旨伝えておくね」

ユリウスは早速ライティングビューローの扉を開くと、ペンを取り出し息子に手紙を認め始めた。