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intermezzo ~パッサウ再会篇2

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懐かしい国境の駅に、アレクセイとユリウス、そしてネッタの三人が降り立った。

「懐かしいね…。あまりここは…変わってないね」

20年前。
少女の自分が愛だけを手に、名前さえも捨て、夫と義姉と共に新天地へと旅立った国境の駅。

そう言えば母へ宛てた最後の手紙を投函したのも、この駅だった。
あの時は涙と共にこみ上げて来た母への、故郷への思慕を、傍らの夫の優しい手が、温かな笑顔が、彼の愛情が、慰めてくれたものだった。

彼が傍らにいたから、彼の愛情を感じていたから、この波乱に満ちた険しい人生を生きてこられた。

この人生の旅立ちの出発点とも言えた国境の駅に再び降り立ち、改めて夫への愛と感謝の気持ちがこみ上げる。

「アレクセイ…」

「ん?なんだ?」

自分の腰に腕み絡めて頭をコツンと預けて来た妻の肩を優しく抱き寄せる。

「今まで本当に、ありがとうね。…愛してる」

「…俺が言おうと思ってた事…先に言うなよな…。このばかたれ」

そう言うとアレクセイは肩に回した手を伸ばして、ユリウスの頬を軽くつまんだ。