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「ムッター、色々な言葉を喋ってる人がいる。…あれはロシア語に似てるけど違うね？」

周辺の様々な国の人間が行き交う国境の駅に好奇心が押さえられないネッタに

「あれは…チェコ語かな？」

「チェコってどこ？」

「この国境を越えたらすぐチェコだよ。素敵な民謡古謡が沢山ある森の国だよ」

と、説明する。

「ふうん…。あ、物売りが来てるよ」

駅のホームから駅舎内に沢山いる行商人に目を止めると、ネッタは母と繋いだ手を離し、行商人がたむろしているところへ駆けて行った。

「あ！ネッタ！」