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未来のために 2

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そして、初めてレイを見たときのシャアの反応に、シャアはレイを知っているのではないかと思った。
だからこそ、シャアが襲われたアムロを自室に連れ帰ったと聞き、もしや殺してしまうのではと焦って慌てて駆けつけた。
しかし、シャアの今回のレイへの対応に、シャアは素性に気付いた上で、レイに危害を加えないであろう事を確信して、医師は自身の予想をシャアに告白したのだ。
医師の言葉にシャアは少し思案すると、医師へと真っ直ぐに視線を向ける。
「ドクターは私が彼の素性に気付いていると?」
「はい…そう思います」
シャアは小さく笑みを浮かべて医師を見つめる。
「ああ、彼は連邦のモビルスーツ“ガンダム”のパイロット、アムロ・レイだ」
「アムロ…・レイ」
「偶然だが、リカルドが彼に付けた名前と彼の本名のファミリーネームが同じだったので少し驚いていた」
「ははは…そうですな。それで、大佐は彼をどうするおつもりですかな?危害を加える様には見えませんが…色々複雑でしょう?」
「そうだな。しかしドクターの言う通り、彼に危害を加えるつもりはない。彼は貴重なニュータイプだ。戦争が終わった今、彼を殺す理由が無いのでな。それに彼は私の事を覚えていない…」
少し悲しげに語るシャアを医師が不思議そうに見つめる。
「やはり…ライバルに覚えていて貰えないというのは辛いですかな?」
「そうだな…。それに、彼とはゆっくりと話したいと思っていたのだよ」
シャアはアムロに視線を向けて少し微笑む。
「まるで愛しい者を見るような目ですな」
「愛しい者?」
「ああ、すみません。そんな気がしただけです。出過ぎたことを申しました」
「いや、いい。案外外れてはいないかもしれな」
シャアが不敵な笑みを浮かべて医師を見つめる。
「おやおや、それでは邪魔者はそろそろ退散致します。レイの件は口外致しませんのでご安心下さい。やはり他の者の中には良く思わない者もいるでしょうから」
「そうだな。ドクターの事は信用している。これからもアムロの力になってやってくれ」
「はい、分かりました。それでは失礼します」
医師が部屋を出てから、シャアはもう一度アムロの寝顔を見つめる。
「愛しい者…か…確かに、もう殺そうなどとは思わないな」
安らかな寝息を立てて眠るアムロの柔らかい髪を撫ぜて苦笑する。
「あんなに憎いと思っていたのに、寝顔が可愛いと思ってしまうのだからな…。可笑しなものだ」


to be continued...


作品名:未来のために 2 作家名:koyuho