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さみしさの後ろのほう 1~5

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「昨年度各月の生徒会活動記録?そんなの今急に言われても持っている訳無いでしょう?」

相変わらずの仏頂面で言った帝に俺は言い訳を飲み込むしか無かった。だってとてもカッコ悪過ぎる。どんなメールを送るかどうか迷い過ぎて送れなかったなんて。
でもそれは俺の所為じゃないと思う。なんつーか、こいつ、あまりに素っ気無過ぎる。気になる人には最後の文章を疑問にしてメールを送るべし。そんな法則も帝には通用しない。俺達は付き合っているにも関わらず、だ。

「全く。これだから貴方は。今年度の生徒会長は私では無く貴方なんですよ。分かってます?」

それはお前が突っ掛かって来るからだ。俺達の出会いだって、帝が何処の馬の骨とも知れない奴に会長の座を譲れないと言い始めたのがきっかけだ。
それより俺は言ってやりたい。俺はお前の恋人なんだぞ、分かってんのか。

「しょうがないですねぇ……。はい。机の左側の棚の中にある青いファイルに入っている筈です」
「え?」

何でも無いように手渡されたものに間抜けな声が思わず出た。だって、これ……。しかし相変わらず表情の変わらない帝。

「それは私の家の鍵です。今日は遅くなりますので、自分で取りに行って下さい。場所は知ってますよね?合鍵がありますので、鍵はしめて明日にでも返して頂ければ大丈夫です」

それだけ言って自分の仕事に帰っていく恋人にどうして淋しさを抱かないで居られるだろうか。
だって俺、場所こそ知っててもこいつの部屋入った事無いぞ?何とも思われてないのか?俺達って恋人なんだよな?
淋しさばかりが膨らんでいった。