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さみしさの後ろのほう 1~5

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一人悶々と悩み過ぎた所為で、結局帝の一人暮らししているマンションに行ったのは日が落ちる少し前の時間だった。
実は締切にはまだ余裕があって、明日帝に持って来て貰うのでも構わなかったのだけれども、来てしまった。これを逃したら二度と帝の家に上がれないんじゃないかなんて、淋し過ぎる危機感を抱きながら。

後ろめたさから、それでどうなる訳でもけれど、鍵を掛けて家に上がる。必要最低限のものしか無い殺風景な部屋だった。家具の色も黒と白で統一されてスタイリッシュである分冷たい感じがする。隅っこに置かれた観葉植物だけが唯一色を持つもののようだった。
この部屋にデスクは無い。という事は隣の部屋か。

引き戸を開けてみると一番最初にベッドが目に入った。寝室らしい。デスクも部屋の中にあって、言われた棚を開けると目的のものはすぐに見つけられた。

さて、目的を果たしてしまった。けれどこのまま帰るのは惜しい気がした。
こんな酷いシチュエーションではあるものの、好きな奴の部屋に入ったのは初めてなのだから。あの多くを語らない仏頂面の奥が知りたい。どういう時にあれは崩れるのだろう。

俺はまず、なんて馬鹿らしいと思いつつ、エロ本でも探す事にした。小柄だし、性別が分からないような綺麗な顔をしていて、ストイックって言葉がよく似合うあいつだって年頃の男だ。一つや二つあったって良いんじゃないか?

見てみたいと思った。あの無表情が崩れる所を。見付けたエロ本でからかってやればあいつも顔を赤らめて照れてみたりするんだろうか。それ程俺はあいつに飢えていた。

ベッドの上に不自然に一つだけ転がったクッションが目に入った。案外、登校前に見てたりしてな。
クッションをひっくり返して、そして、

「!?」

衝撃が背骨を駆け抜けた。