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intermezzo ~パッサウ再会篇5

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「ただーいまー」

玄関からユリウスにそっくりなソプラノが響く。

「あ、娘が帰ってきたわ!…街の電話交換局で働いてるの…。お帰りなさい」

レナーテが玄関に向かって声をかける。

「お客様?」

いつもと違う室内の人の気配にそう言いながら入って来た娘ー、ユリウスと、レナーテにそっくりな面差しに、耳の下あたりで切り揃えた今風の金のウエーブヘアと、やはり今風のストンとしたシルエットの膝丈のドレスという格好の妙齢の女性が、ミハイロフ一家をー、初めて対面する姉に目を止め、ビロードのような灰色の瞳を大きく見開く。

「…お姉さん…で、いいのでしょうか?」

ポカンと暫く自分にそっくりな目の前のエレガントな女性を見つめ、漸くエレオノーレが一言口にする。

エレオノーレのその言葉にユリウスが、妹をギュッと抱きしめて声を詰まらせた。

「…初めまして。散々親不孝をしていた…あなたの…姉です。エレオノーレ!会えて嬉しい」