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intermezzo ~パッサウ再会篇5

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ユリウスのドレス姿を夫と息子が賞賛する。

「いいなあ。私もこんな田舎町じゃなくて、パリに…ううん、パリじゃなくてもいい、ベルリンや、せめてミュンヘン…都会に出たい!」

エレオノーレが夢見るような眼差しになる。

「あなたみたいな…」

「お前のような浮ついた娘を都会へやるなんて、恐ろしい真似、どこの親が許すと思ってるのか?!」

同時に両親に即座にそう言われ、不満そうにエレオノーレがぶすくれる。

そんな三人の様子にユリウスが顔を綻ばせる。

「パッサウは…静かで落ち着いたいい街だよ。…ね、ミハイロフ家最後の家族を紹介していいかな?」

ユリウスがそう言ってネッタの幼い肩に両手を置く。

「この子は長女のアルラウネ。革命の年に生まれて、今は7歳。同じ名前のこの子の伯母様から名前を頂いたから、小さなアルラウネという意味のアルラウネッタを略してネッタと呼んでいるの」

「初めまして。ネッタです。よろしくね、叔母様」

幼いながら母親によく似た端正な美貌を持った子供が、エレオノーレにニッコリと笑いかける。

「うー…。叔母様と呼ばれるのは…やっぱり複雑だなあ。…ま、しょうがないや。よろしくね。ネッタちゃん。初めまして」

エレオノーレが苦笑いすると、ネッタの顔の位置に屈んで、ふっくらとした頰にキスをした。

ネッタは母親とよく似たこの年若の叔母の白い頰にキスを返す。

「さ、娘も帰ってきたし、自己紹介も済んだ。…これから、あなたの辿った…あれからの20年間を…食事を囲みながら聞かせてもらえないかしら?」

改めて切り出したレナーテに、ユリウスが無言でコクリと頷いた。