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intermezzo ~パッサウ再会篇7

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「買い出しの途中で…意識を失って、目覚めた時に、最初に目に入ったのは、ベッドの天蓋と高い天井だった。ここはどこだろう?早く家に帰らなくちゃ家族は心配しているだろうと…、不安と焦りでその知らない屋敷内を彷徨い歩いていたぼくを見つけた、その屋敷の執事が飛んで来て説明してくれた。ここは、ぼくの命を救ってくれたそのお屋敷は、アレクセイの実家の…絶縁して久しかった侯爵家だと。アレクセイは命の危険に晒されたぼくのために、縁を切っていた実家の、彼のお祖母様に、ぼくを救ってくれるよう頭を下げてくれたんだ。ぼくを医者にみせて、助けてほしいと。…医者の診断は肺炎と栄養失調…それから、妊娠だった。十分に回復するまで、そして安定期に入るまで絶対安静にしていないと母子ともに命の保証は出来ないと言う事で…ぼくはそのままアレクセイの実家の侯爵家で療養する事になった。説明されて納得はしたものの…、そしてぼくを引き受けてくれたミハイロフ侯爵家の人たちー、お祖母様や執事のオークネフはとても親切にしてくれたけれど、残して来た家庭と家族…、ミーチャの事を思うと、心配で早く帰りたくて涙が止まらなかった。暖炉の薪が爆ぜる暖かな部屋にいれば、ミーチャは寒い思いしてないだろうか…、暖かなベッドに横たわれば、あの子ベッドに湯たんぽは入れたかしら、美味しい食事を頂けば…うぅ…」
そこまで話してユリウスが言葉を詰まらせた。当時を回顧し、こみ上げる嗚咽に口元を押さえ、肩を震わせている母親の両隣りに座っていたミーチャとネッタが、そんな母親の背中を優しく撫で、手を握る。

「ごめんなさい…。ありがとうミーチャ、ネッタ。そうやってこっそり何度涙したか知れなかった。時折忙しい合間を縫ってアレクセイが会いに来てくれた。ミーチャはガリーナに、ぼくと仲の良かった党員の奥さんに面倒を見てもらっていて、元気でやっているから心配するなと言われて…、親友のガリーナの傍にいるなら、誰よりも信頼できるズボフスキー夫妻のお世話になっているならば、心配はいらないと…やっとぼくは安堵に胸を撫で下ろした。かくなる上は、一刻も早く体力を回復して、安定期に入ったらすぐに家に戻れるよう、それだけに専心しようと思った」

「…一時期は母子ともに命も危ぶまれてが、その後ユリウスは健康を取り戻し、腹の子も順調に育っていた。そうして、こいつは産み月をー、あの8月を迎えた」