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intermezzo ~パッサウ再会篇 エピローグ

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駅舎を出てゆっくりと家路に向かいながら、レナーテが口を開く。

「私は…思えば私の愛は…本当に自分勝手で自己中心的なものだった…。愛している、あなたのため…と言いながら、酷い人生をユリウスに強いた…。それからヘルマン…。あなたにも…。私たちの愛の思い出を汚したくないから黙って姿を消した…なんて綺麗ごとを言って…。あの時も私は自分の事しか考えていなかった。本当に私はあなたに酷い事をした。あなたの愛を知りながら黙ってあなたの前から立ち去ってしまった事で…貴方一人を置き去りにした事で…長い事あなたを苦しめた。私の愛は…いつも身勝手なものだった。結局自分のことしか考えていなかった…。でもそんな私を…あなたも…それからユリウスも…愛していると言ってくれた…。私は…私は…」

そこまで言うとレナーテは両手で顔を覆い、立ち尽くした。

言葉もなく立ち尽くして涙にむせぶレナーテをヘルマンがギュッと抱きしめる。

「そんな不器用な愛情でも…ぼくやユリウスや、それにエレオノーレにはちゃんと伝わっているよ。大丈夫。君は君でいてくれればいい」

「そうだよ。お母さん。私もお父さんも…そんなお母さんが、不器用だけど一途な愛情をかけてくれるお母さんが大好きなんだから…」

エレオノーレもそう言ってレナーテの涙をそっとハンカチで拭ってやる。

「ごめんなさい…ありがとう。…ごめんなさい…」

愛してやまない家族の腕の温もりの中でレナーテはいつまでもそう呟き続けた。