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未来のために 10

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「ニュータイプは…殺し合いの道具じゃ無いって…ララァは言ってくれたんだ…。ホワイトベースのみんなも…僕を頼りながら、僕の事を気持ち悪がってた…。フラウだって…僕から離れていってしまった…。そんな僕を唯一理解してくれたのに…!」
アムロの言葉に、ハヤトはフラウの言葉を思い出す。
『アムロは私たちとは違うのよ』
フラウと共に、アムロが覚醒していく様を側で見ていたハヤトには、フラウのその気持ちが痛いほど分かった。
正直、アムロに対してライバル意識を持っていたハヤトにとっては、憎らしい程だったが
、当のアムロは、その言葉に深く傷付いていたのだろう。
当時はアムロに対する嫉妬の想いが先立って、アムロの気持ちまでは考えてやれなかったが…。

肩を震わせて涙を流すアムロの肩を、そっと抱こうとしたシャアの手を、アムロが振り払う。そして同時に、シャアの腰のホルスターから銃を抜き取った。
「アムロ!?」
アムロはシャアから離れると、銃口をシャアへと向ける。
「アムロ!止めろ!」
叫ぶハヤトの顔を一瞬見つめ、アムロは銃口を、シャアから自身のこめかみへと向け直す。
「アムロ!」
アムロは銃口を自身に突きつけたまま、シャアに視線を戻す。
「ララァは…俺が生きていたら貴方が死ぬから…俺を殺すって言った。貴方も…俺はニュータイプの有り様を見せすぎたって…俺は危険だから殺すって…言ったじゃないか…。俺は生きていちゃいけないんだ…」
涙を流しながら、アムロが悲しく微笑む。
「“レイ”は…貴方を愛してるよ…。でも、“アムロ”は貴方を恐れてる…。そして…ララァを戦争に巻き込んだ貴方を…許せない…」
「アムロ…」
「俺が生きてたら…いつか貴方を殺してしまうかもしれない…だから俺は…生きてちゃいけない…」
アムロが引き金を引く指に力を入れようとしたその瞬間、それまで黙って話を聞いていたアポリーが叫んだ。
「馬鹿野郎!ロベルトの死を無駄にする気か!?」
「アポリー中尉!?」
アポリーはアムロの元へと駆け寄ると、銃を奪い取り、そのままアムロを思い切り殴り飛ばした。
「アポリー!」
アポリーは、驚くシャアを一瞥すると、頬を押さえて倒れ込むアムロの胸ぐらを掴んで立ち上がらせる。
「あいつが自分の命と引き換えに守った命を殺すのか!?」
「でも!兄さんだって俺が“アムロ・レイ”だって…ガンダムのパイロットだって知ってたら助けたりしなかった筈だ!弟として扱ってだってくれなかった筈だ!」
「知ってたよ!」
「…え?」
アムロは驚きに目を見開く。
「ロベルトは…お前が連邦の白い悪魔だって…ガンダムのパイロットだって知ってたよ」
アムロは一瞬、アポリーが何を言っているのか分からず言葉に詰まる。
「どういう…事?そんな…知って…た?」
アポリーはコクリと頷くと、シャアへと視線を向ける。
「そうですよね?クワトロ大尉」
シャアはアポリーに同意を求められて、小さく溜め息を吐くと、不安げな瞳をしたアムロへと視線を向ける。
「シャア…?」
「…そうだ。ア・バオア・クーから、アクシズへ向かうグワダンの中で、既にロベルトは君の素性を知っていた」
「そんな…前から?」
「ああ、初めは気が付かなかったようだが、落ち着いてから、君を助けた時の事を思い出して気が付いたそうだ」
「え…?」
「君の処遇について相談を受けた時、素性について聞かれたのでな、諜報部に探らせていた君の調査報告書を彼に見せた」
アムロは信じられないという顔をして、シャアを見つめる。
「兄さんは…知ってて…、知ってて俺を弟にしたって言うのか?」
「ああ、そうだ」
「そんな…」
アムロの瞳から、ホロリと涙が零れる。
アポリーはアムロの胸ぐらを掴んでいた手を離すと、ギュッとアムロを抱き締める。
「レイ!あいつは連邦のパイロットだとかニュータイプとかじゃなく、“お前”だから弟にしたんだ!」
「アポリー中尉…」
アムロは、アポリーに抱き締められ、目を見開いたままポロポロと涙を流す。
「俺だって同じだ。お前だから仲間だって思うし、ロベルトと同じ様にお前が可愛い。お前とロベルトが戯れてるのを見るのが本当に好きだったんだ」
アムロの頬にアポリーの温かい涙が降り注ぐ。
「アポリー…中尉」
「だから、死ぬなんて言うな!過去は変えられないかもしれない。でも、未来はいくらだって変えられるだろう?ロベルトの為にも生きろよ!」
アポリーの言葉に、ロベルトの言葉が重なる。

『俺はさ、お前だから一緒に居たいと、兄貴でいたいと思うんだ』
『野菜嫌いで、泣き虫で、でも意外と負けず嫌いで、機械いじりに夢中になると時間も忘れて没頭しちまうけど、俺を見つけると満面の笑顔を向けてくれる。そんなお前が好きなんだ。お前が大事で仕方ない』

「…兄さん!」
こんな自分を大事だと言ってくれたロベルトの優しさに涙が溢れる。
「俺は…生きていても…いい?」
「当たり前だろう!」
ハッキリと答えてくれるアポリーに、一気に気持ちが溢れ出す。
「アポリー中尉ぃ…」
アムロは自分を抱き締めてくれるアポリーに、しがみついて泣きじゃくる。
「俺…俺…」
「良いんだよ!お前はお前だ!生きて良いんだよ!」
アポリーは、体を震わせて泣くアムロを強く抱きしめ、何度も「生きていて良いんだと」言い聞かせる。それに応えるように、アムロは何度も頷いた。

しばらくして、アムロが少し落ち着いた頃、医務室のドアをノックする音がする。
「どうぞ」
ハヤトが答えると、ベルトーチカが顔を出した。
「ハヤト艦長、そろそろヒッコリーに到着します。クワトロ大尉達は準備をお願いします」
「あ、ああ。ありがとう」
室内の様子を見て、ベルトーチカが怪訝な顔をする。
「あの…レイさん…は大丈夫ですか?」
「あ、だ、大丈夫です」
アムロは慌てて涙を拭うと、ベルトーチカに答える。
「あの…どうかしたんですか?…」
「何でもないよ。ベルトーチカ」
優しく答えるハヤトに、明らかに何かがあったであろう部屋の雰囲気の事を問いただしたいと言う思いはあったが、時間も無かった為、本題に移る。
「これから私がヒッコリーまで先導しますので百式とMk-Ⅱ、リックディアスはドダイで付いてきて下さい。モビルスーツは三機共シャトルに積み込めますので、現地のクルーの指示に従って下さい」
ロベルトのリックディアスが撃墜されてしまった為、残りの全てのモビルスーツをシャトルに積めるのだ。アポリーは複雑な表情を浮かべながらも、ベルトーチカに頷く。
「…あの…俺がリックディアスに乗っても良いですか?」
アムロの言葉に、その場に居た全員が視線を向ける。
「あの…どういう事ですか?」
意味が分からず、ベルトーチカがアムロに問う。
「多分、またティターンズの襲撃があると思うんです。俺がリックディアスで護衛をしますので、みんなはシャトルで宇宙に上がって下さい」
「アムロ!君はどうするんだ!?」
驚くシャアに、アムロが悲しげな表情を浮かべる。
「…すみません…俺はアウドムラに残ります。アポリー中尉のリックディアスを置いていって貰っても良いですか?」
「何を言っている!?」
「少し…貴方と距離を置きたいんです」
「私と離れると言うのか!?」
作品名:未来のために 10 作家名:koyuho