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第三部3(103) ロンドンへ…

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ロンドンに亡命したアレクセイとユリウスはとりあえずは市内のホテルに身を落ち着かせた。

一足先にロンドンに居を構えたアルラウネが早速二人を訪ねる。

「ユリア!」

「アルラウネ!」

二人の義姉妹は抱き合い、互いの無事を温もりで感じ合う。

「良かった…。あの国を無事出ることが出来て…。無事にロンドンであなたとこうして抱き合う事が出来て…」

ユリウスを抱きしめ、頭を背中を何度も優しくさするアルラウネの声がわずかに掠れていた。

「アルラウネ…」

義姉に優しく抱きしめられたユリウスの細い肩も小刻みに震えている。

「アレクセイは?」

アルラウネのその問いかけにユリウスは沈んだ顔で首を横に振る。

「…そう。仕方がないわね。昔だったら横っ面引っ叩いてお説教の一つでもしてやる所だけど…。今はその時間も惜しいわ。行きましょうか。…あなた一人で、大丈夫ね?」

その問いかけにユリウスが力強く頷いた。

「それでこそ、私の妹だわ。外に車を止めているの。行きましょう」

アルラウネがユリウスの背中をトンと叩いて二人はホテルを出て行った。