二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
代打の代打
代打の代打
novelistID. 63523
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

はじまりのあの日9 天使様がやって来た

INDEX|3ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

「さて、と。麺類は揃ってるな、和洋中。これは茹でておけば間違いないじゃない。よし、リンにお願い。麺、茹でちゃって~」
「は~い。あ、玉子も茹でておこうか、がっくん。ゆで玉子作っておけば、外れないよね」

『いつも手伝ってくれるから』と、彼に貰った、桜色の腰巻きエプロン。身につけながら聞く

「お、リン、分かってるじゃない。味玉、味噌玉、どう考えてもリクが来るな。飲んべえ組のおつまみには必須だし。よ~し、温玉もお願いしようじゃない。麺ズのトッピングに鉄板メニュ~」
「なら、そのあと麺ズのスープ、パスタソースも作っちゃおうか、殿。グミちゃん達が野菜取ってきてくれるから煮物系も。多分、午前中はそれで終わりだね。リン、上手になったよねぇ料理」

二人の兄に褒められて、至極光栄。得意気になるわたし。二人、というか、大変申し訳ありません、カイ兄。紫様を手伝いしているうち、料理の腕は、驚くほど向上。メンバーからも褒められるほどになった。鍋に水を張り、調理開始。ゆで麺大会。カセットコンロも使って総動員。ただし、カセットコンロを並べてつかってはイケナイ。要注意事項。それも、紫の彼が教えてくれたこと。ゆで上がった玉子の殻を取る。そういえば、料理に興味を持ったあの頃。ルカ姉のお帰り会の準備の途上でも、作っていたな、ゆで玉子

「洗い物終わったから、買い物行ってくるわ、カイト」
「出撃してくるデゴザルよ。専門店街でゴザル」
「今日は、昼抜きで作って貰うぜ。ボクらもイッテ来るぞ、かむい」

台所に、顔を出すめー姉達。買い物に出かけていく。カイ兄、空いたマンションのキッチンへ。コンロを使うため。この日は、麺類のスープとパスタソース作りに

「ぽ兄ちゃん、お野菜取ってきた~。トマト、茄子、にんじんと長ネギ。どれもすっごくおいしそうだよ」
「ミクと、がくサンの手入れの賜物っすね。枝豆、パプリカ、じゃがいも。ジャガイモとか、みんな食べごろっす~」

めぐ姉と勇馬兄、野菜を手にやってくる。泥は、外の水道で、簡単に落としてくれていた

「い~いカンジに取ってくるじゃない。こっちは、トウキビと満願寺唐辛子か。これもツマミとおかずだな。よし、リン、唐辛子の種を取って貰おうじゃない。ヒリヒリするから、手袋付けて」
「オッケ~。あ、おそばとうどん、きしめん。茹で上がったから、水にさらしておくね~」
「種取り手伝うよ、リンちゃ~ん」

まな板を取り出し、唐辛子を切る。IA姉と共に、ヘタと種を取り分けていく。彼は、スパゲティの調理法の思案に入る

「ぽ兄ちゃん、わたし達は何すれば良いかな~」
「手伝うす、がくサン。こ~見えても自炊はしてたっす」

ストリート時代、やっていたという勇馬兄。我が家の兄達は、やたらと女子力が高い

「そうだな、和麺ズのトッピング。それ、作って貰おうじゃない。ネギと茗荷(みょうが)は必須だな。あとは、二人のセンスに任せようじゃない。ああ、茹で上がったスパゲティに、バター混ぜといて~」

めぐ姉、にんじんアップリケのフリルエプロン。勇馬兄は、ジーンズ生地にハートマークの刺繍が付いたギャルソンエプロン。身につけて、昼食作りに。勇馬兄、スパゲティにバターを絡める

「そういえば、ぽ兄ちゃん。昔から必ず言うよね、スパゲティって。ど~してなの」
「あ、言われてみるとそうかも。がっくん、何か理由あるの」

『カイトが作るのはパスタ。俺が作るのはスパゲティ』そんなことを言っていた気がする

「それはねぇ、俺のこだわり。なんてゆ~か、パスタは完全に外国の食事ってカンジじゃない。でもさ、スパゲティって言うと、とたんこの国で出来た物ってカンジしな~い」
「あ、なんか自分、それ分かるっす。極太のナポリタン、好きっす」
「でも~、スパゲティもイタリア語だよね、神威のに~さん」

わたしの意見は、勇馬兄に近かった。疑問を投げかけるIA姉

「ああ。麺の太さや、形でパスタ、スパゲティーニが変わるじゃない。日本で言う、マカロニだって、パスタの一種。でも、スパゲティって言ったら、この国では皆『麺』思い浮かべるじゃない」

確かに、スパゲティと聞いて。この国で麺以外というイメージはあるのだろうか

「だ・か・ら。俺はスパゲティ。作法も何も関係なしで食べようじゃない。よし、閃いた。おまえ達の好物、極太麺、魚肉ソーセージ入ったナポリタン。今日も作ってあげようじゃな~い」
「「「「やった~」」」」

一同、子供状態。みんな大好き、彼の作るナポリタン。スパゲティに、バターを混ぜておけば、麺同士がくっつかなくて済む。風味も増す。彼、極太のソーセージを切り始める。玉ねぎ、トマトを炒めて、ベーコンを加える。ミキサーに掛けたトマト。ホール缶とは、わけが違う。フライパンに投入、味を調えていく。やがて、漂い出す美味しいニオイ。紫様特製のナポリタンソース

「うわ~ぽ兄ちゃ~ん。このニオイだけで、おなかきゅ~ってなっちゃうよ~。美味しいに決まってる~」
「自分もすっげぇ腹減ってきたっす。あ~、このまま、このうどんに絡めて食っちゃいてぇ」

湯気を立てる、彼作のナポリタンソース。トウモロコシも下ゆでしておく。わたしの作る、トウキビタレと、味噌玉用の味噌。台所のテーブルが賑やかになっていくにつれ、漂う良い香り。お腹の虫が騒ぐのもいたしかたない。勇馬兄言うように『ナポリうどん』でもきっと美味しい

「精々、お腹すかせておこうじゃない、めぐ。勇~馬、クッタ言うんじゃない。おっし、枝豆も茹でちゃおう」
「サーセン、がくサン」

何時ものやり取りをする、がく馬の二人。きっとコレハこれで楽しんでいるに違いない

「がっくん、枝豆、塩もみしておいたよ~」
「お鍋に水も張りました~神威のに~さ~ん」
「リン、とってもお利口さん。IAも気が利いるじゃない。そのまんま茹でちゃって~」

たっぷりの塩でもんでおく。すると、細かい毛が落ちて食感が良い。そのまま茹でれば、泥も落ちる。ザルに上げる

「うどんもおそばも、ぶっかけ式にしようよ、勇馬君。お手軽、お好み、手間いらずだよ」
「いっすね、グミサン、さすがっす。なら自分、胡麻ダレも作っとくっす。がくサンど~っすか」

めぐ姉、茗荷(みょうが)ネギを刻み始める。その後で大根おろしを開始。海苔を刻む、梅干しを叩くのは勇馬兄。結構、良いコンビ。紫様が二人を褒める。その彼とわたしは、バーベキュー用の野菜を切る。パプリカ、玉ねぎ、茄子など。パプリカは完熟、甘みが強いので、天使様も好物なのだ。ナポリタンの具にも最適

「わ、テーブルの上、賑やかになってきたね~。きしめん用の味噌ベース。冷やし中華用、ラーメン用とスープ作ったよ、殿。ついでに、パスタサラダ、マカロニサラダも。パスタソースはミートソース一種。後は買い出し隊の食材次第かな」

カイ兄が、ふたたび神威家にやって来る頃、コンニャクのピリ辛炒め、オクラの梅肉おかか和えも完成。味噌漬け玉子、味玉子は味が染みるよう寝かせておく。激辛唐辛子は、ホイルに包んで素焼きの準備。定番のポテトサラダは二種類。甘めのものと、胡椒を効かせ、玉ねぎを混ぜた物

「カイトもお疲れ~。ここらで一息付こうじゃない―」