はじまりのあの日9 天使様がやって来た
「おいしそうなにおいがします、いろはちゃん」
「お料理がたくさんだ~、リュウト君」
「おにぃ、どんなカンジ~」
天使様が、リリ姉、キヨテル先生と共にやってくる。リリ姉は、長めの髪を一纏め。おでこを出し、髪を高い位置で一纏め。お手伝いがしやすいスタイルだ
「全品完成だ、リリ。煮物は温め直すから、玉子ちゃんズは運んでいいんじゃない。汁物は外のコンロへ載せて~」
「承りました、神威さん。マンションの皆さんも、準備の最中です」
汁鍋を手にするキヨテル先生、そこに加わる
「ユキもてつだうよ、ぽ父さん」
「ぼくもです、にいさま」
「みんなでおてつだいしよ~」
「ハコビマフ~」
作っておいた物を温め直し、天使様、と共に外のテーブルへ。煮物、枝豆や切った生野菜、手に持ったり、キャスターに載せたりして。それぞれメンバーが運んでいく。最後にわたし、残りの土鍋を持つ。紫の彼、刺し盛りを手に外へ出る。と
「あ、殿達も美味しそうなの作ったね~」
「おれもぅ、お腹空きすぎてつらいよ~」
寸胴鍋を手に、カイ兄、漂うカレーの香り。グラタンの入ったプレートを、鍋つかみを使って持つレン。美味しそうな物とやってくる
「切り分けたお肉もお持ちしましたわ。ミートスパゲティも」
「鶏肉パスタ、ビーフシチューも美味しそ~だよ~」
「そっちも同じじゃない、カイト。すっごく美味しそう。ルカ、ミクもありがとさ~ん。さすがにお腹すいちゃうじゃな~い」
キッチンタイマーが鳴り響く。枝豆の塩梅が頃合いの時間。電子音で、意識が今へと帰ってくる。この数分間、作業しながらどれだけの事を思い出していたことか。枝豆、ザルに乗せたらテーブルに置いておくので良いな―
作品名:はじまりのあの日9 天使様がやって来た 作家名:代打の代打