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代打の代打
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はじまりのあの日10 歓迎会と思い出

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枝豆の熱を取るため、テーブルへ。蠅帳をかぶせておく、と、耳にはいる、ビアガーデンという単語。はは、また思い出が込み上げる、天使様の歓迎会。あの日、ご馳走を手に行くと、先に楽しんでいる面々がいたっけ。あの日買ったんだよね、ビールサーバー。行きましょう、記憶書庫―

「でも、ほ~んとお腹減った~」
「これからが楽しみですわぁ」

ミク姉とルカ姉の言葉。紛れもない事実。ご馳走と共に、外用のテーブルや椅子が並ぶ場にたどり着く。そこに広がっていた光景は

「お、ウマソ~なのがやって来るぜ、肉が食えるぞ。美味く焼いてくれよ~カイト、かむい~」
「おつまみたくさん、嬉しいわ~。ありがとカイト。純米用意しておいたわよ、神威君」

料理を並べるため、折りたたみテーブルを何卓か並べてある。その上にテーブルクロスも掛けてくれるのは良いのだけれど。一緒に載っているお総菜、フランクフルトやサラミ、チーズちくわ。金銀の包みに入った、マグロブロックを並べながら、ご機嫌テト姉、めー姉

「重音、おまえ達、もうヤリ始めてるのか。いい気なもんだな、天使様もお手伝いして下さるってのに。Sabotage(サボタージュ)ってヤツじゃな~い」
「あら、神威君、人聞き悪い。サーバーのテストよ。しっかり動くか、確認しておかなきゃね~」

めー姉、さらにビールを一息に流し込む。さっそく、おかわりを注ぎ出す始末

「あ~もう、め~ちゃんは~。うわっしかもこれ、業務用の買ってきたのか。まぁ、テストって事にしておいたげる。はは、アルまで始めてるのか」
「Sorryお二人に当てられたでゴザル」

鎮座している、最近買ったビールサーバー。ボトルはお店用。手には、全高(で良いのだろうか)40㎝のメガジョッキ。バツが悪そうなのはアル兄

「にゃはは~、良いじゃね~か『ハレ』の日なんだからよぅ。サボってね~から、炭だって熾して(おこして)おいたぜ」

外用のコンロや焼き台が出され、消火器まで用意してある。ガスボンベを使う鉄板焼き用の物。炭を用いて、網で直火焼き仕様と二種類

「言葉もナイ、な。呆れちゃって。ったく。じゃあ、始めようじゃない。何だかんだ、俺もお腹空いちゃった」

お造り盛り合わせを、テーブルに置く彼。ビーフシチューの鍋は、コンロに鎮座。その隣、土鍋ご飯の第一陣が、すでに火に掛けられる。カレー鍋、アラ汁は〆時に近い品なので、鍋敷きを敷いてテーブルへ置くカイ兄。どの料理にも、蓋やラップがしてあるのは、虫除け対策

「わ~すご~い、ぽ父さん」
「ゴチソフデフ~」
「うあ~マジ腹減ったっす、がくサ~ン」

テーブルの上に並ぶ食べ物。それは、五つ星レストランのバイキングを上回る。はしゃぎだす天使様。勇馬兄を始め、わたし達も急激にお腹の虫が騒ぎ出す。さっきのレンではないけれど、お腹が空きすぎてつらい

「よしよしわかった。乾杯と『一言』済ませようじゃない、メイコ。肉や野菜は、それから調理しよう、カイト」
「いいわね、神威君。みんな飲み物注いで~」
「天使様に、バナナミルクも作ったよ~。レンも飲むでしょ」

年長三人、声が掛かる。優先的に、天使様のコップが満たされる

「では、皆さんから一言お願いしますね」
「じゃあ、リュ~からっ」

一言を促す先生とリリ姉。リュウト君、話し出す

「ありがとうございます。あいたかった、にいさまに。あいたかった、ねえさまに。あこがれのみなさんに、やっとあうことができました。さ、さみしかった。い、いまはすごくしあわせです。う、うう~」

無言で抱きしめる、神威の兄妹。メンバー全員、もらい泣く。神威の両親は忙しい人だ。ここに来るまで、ハウスキーパー生活だったというリュウト君。一人ぼっちの時が長かった。想いと涙が溢れ出る。こんなに泣く歓迎のあいさつは初めて。しばらく涙が止まらない

「リュ~、これからは、おにぃとおねぇ、ウチもカルも。みんなも、ず~っと一緒だからな」
「カワイイリュウト。俺と、俺達と。一緒に歌って生こうじゃない」
「だいすきです、にいさま、ねえさま、みなさま」

リュウト君と、わたし達。縁を深め合う。キヨテル先生、眼鏡をあげ、涙を拭って

「さあ、次はユキさんですよ」
「はい、先生。えっと、まだみんなみたいに、おうた、じょうずじゃないけど」
「「「「「「「「「「そんなことないよ~」」」」」」」」」」

メンバーから、自然にあがる声。照れ始めるユキちゃん。もの凄く可愛らしい

「みんなとおうた、うたえるの、ユキすっごくたのしいです。きいてくれる人のために、がんばります」

微笑みの直撃。なんて健気。これまた、しばらく声が出ないメンバー

「~はあ~。つ、次はいろはちゃん」

なんとか立て直すカイ兄

「あたしもすっごく楽しいで~す。みんなで歌えて、みんなでおどって、みんなによろこんでもらって。やさしくしてもらって。お兄ちゃん、お姉ちゃんたちが大好きです」

可愛らしすぎて、もはや辛い。なんだか疲れてさえくる

「トリ、オリバ~」

紫様も限界に近い声で促す

「ボフ、ニホゴモ、マダジョフズジャナイ。デモ、ミナサンヤサシイ。タノシイ。サビシクナヒ。みんなだいすき、My Family」

最後は全員拍手。微笑むオリバー君。やっぱり笑顔の波動が直撃する

「「「「みんなどしたの~」」」」

天使様に声をかけられるまで、意識がどこかへ飛んでいたわたし達

「じゃ、乾杯しましょうか。発声は~リン~」

選ばれるわたし。さて、何を言おうかなと、少し考える。別に特別意識する必要無いか。そんなに良い頭じゃないもん

「ありがとめー姉。天使様、ありがとう。わたしも嬉しいよ、みんなと歌えるの。これからもたくさん歌っていこうね。カイ兄、がっくん、今日もありがとう。そしてお疲れ様。じゃあ、始めようみんな。せ~の~でっ」
「「「「「「「「「「かんぱいで~す」」」」」」」」」」

歓迎会、開式。腹ぺこメンバー、直ちに料理に群がろうとする。と、手を叩く音

「はいはい、待って下さい皆さん。天使様が優先ですよ」
「大人は後だって~の。みんな、大人気ね~なぁ」

やや苦笑のキヨテル先生。リリ姉は腰に手を当て、あきれ顔

「その通りだぞ~、おまえ達~。分かってるじゃない、リリ。さすが、我が妹~」

紫の彼、リリ姉を撫でる。取り箸を手に、メンバーを制止する

「何が食べたいリュウト、取ってやるよ」
「あぶらあげのはさみやきがたべたいです」

微笑むリュウト君、笑顔でお兄さんモードの彼。その顔が少し曇る。その理由

「ああ、ごめんなリュウト。作りたて、食べさせたくってさ。よ~し、今から炙ってあげようじゃない。ちょっと待ってて。めぐ、リュウトを世話してほしいじゃない」
「は~いぽ兄ちゃん。リュ~君、待っててね~」

屈んで、リュウト君の頭を撫でるめぐ姉。代わりの油揚げ繋がり、五目いなりを食べさせてあげる

「よ~し、オレも焼き始めるよ、殿。テト姉さんの目が『肉よこせ』になってるからね。オレに食らいつかれちゃタマラナイ」
「へへへ、早くしないと食っちまうぜ~カイト~」