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第三部6(106) 1934年ポスキアーヴォⅢ

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一旦勤めに出ていたユリウスが昼の休憩に戻って来た。

「ふふ…。こうしていると、昔の…ペテルブルクのアパートで二人暮していた頃を思い出すね」

ユリウスがパスタにミートボールのソースをよそいミーチャの前に置く。

「そうだね。ムッターの手料理久しぶりで嬉しいな」

ー うん!美味い。

ミーチャが母親の手料理に舌鼓を打つ。

「良かった。息子が来ているって、朝働いてる市場で話したらね、じゃあって皆んながトマトやらくず肉やら野菜やら沢山くれてね」

ミーチャの旺盛な食欲にユリウスは嬉しそうに目を細めた。

「ねえ、ミーチャ。…ちょっと頼まれてもらいたい事があるの」

昼食後ユリウスがミーチャに改めて切り出した。