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第三部8(108) 覚醒

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エピローグ




間もなくアレクセイは、市場での日雇い仕事の職を得た。

ユリウスは夜の仕事は辞めたものの、朝の市場の売り子の仕事は、頑として辞めることをよしとしなかった。

それは、同じ市場で職を得たアレクセイと、一緒に働けることが心から嬉しかったからである。

そしてアレクセイは、日雇いの仕事と共に、ユリウスの長いこと行っていた亡命の手引きと難民支援活動にも乗り出した。

方々に支援と協力を願いに回り、時には国境沿いまで自らピックアップに向かう荒仕事も率先して名乗り出る。

周りが時にハラハラするような局面も多々あったが、しかしその活動に従事しているときのアレクセイの顔は―、昔の祖国解放を目指して粉骨砕身していた頃の瞳の、命の輝きを放っていた。
作品名:第三部8(108) 覚醒 作家名:orangelatte