延距離恋愛
イタリアの作る料理を、毎日食べてられるクラウツ・・・ドイツを、妬ましいほど幸せ者だと思う。
イタリアは可愛い。
そしてバカだ。
ドイツがやることにはみんな賛成、何でもかんでも一緒で、犬みたいな奴。
何故日本の家にいるのか、
ドイツと日本はどこに行ったのか、
にこにこ笑いながら全て話してくれた。
暖かな湯気の上がる、春野菜のパスタ。
小さな蕾が出た菜の花がポイントだとか言っていた。
「シロショーユがポイントなの、ショーユなのに色が付いてないなんて変わってるでしょ?
パプリカとかの色を壊さないってところがまたポイント高いよね♪」
シロショーユ。
ショーユにはこんな似ても似つかないものもあるのか。
あまりにも、いつか日本が食べさせてくれた煮物のイメージとかけ離れていて、
しかし味はどことなく同じで。俺は驚いた。
「ねぇ、おいしいとかおいしくないとか言ってよぉ。
イギリスってドイツ以上に愛想ないよね!」
目の前でその様子を再現しているようで、
身ぶり手振りと声真似を合わせ、ドイツのマネをしている。
「もっとおいしいって言ったりしないと、
日本争奪戦に勝機は見えないよイギリス。
アメリカなんて、すっごいほめてくれるんだから。」
うるせぇ、バカ。俺は見返りのない投資はしねぇんだよ。
何となく、あいつがイタリアのパスタをうまいうまい言うところが想像できた。
「一言多いんだよこの万年能天気・・・
なぁ、俺と日本は、恋人同士に見えるか?」
「ぜんっぜん!
でも日本って流されやすいところあるから、
押し倒してヤっちゃえば意外にイケるんじゃない?」
あまりに率直過ぎる答えで、俺は少し傷つく。
・・・トルコあたりがイタリアに同じ質問をしていたら、yesと答えただろうか。
・・・思い出したら腹立ってきた。
「俺はそういう強制するようなことは嫌なんだよ。
・・・お前はどうだ?ドイツが恋人で、幸せか?」
「え〜っノロケ話させちゃう〜?俺長いよぉ?」
「いいから話せよ」
照れて笑う、フォークを置いて、上目遣いに俺を見る。
だがその目の中には、ドイツが写っているんだろう、
羨ましいと思わなかったことは、はっきり言って、ない。
悔しいが。
「幸せだよ。ドイツが傍にいてくれるから、俺こうしていられるの。
ドイツが俺のこと、抱き締めててくれるから、俺フラフラしないで済むの。
ドイツってね、すっごい独占欲強くて束縛野郎なの。思い込み激しいし、変態だしね。
でね、アメリカに負けないくらいカッコつけマンなんだよ。
だって俺には、カッコ悪いところ絶対に見せたがらないもん。
あ、ドイツはこんなこと言わないよ?俺と・・・もしかしたら日本は判ってるかもね」
アメリカみたいなカッコつけマン、という言い方があまりにもおかしくて、俺は笑ってしまった。
あのすました、ロボットみたいなクラウツジャガイモ野郎が?
そんなに人間くさいところがあるのか?
俺には血も涙もない冷血野郎にしか見えないがな。
イタリアにカッコ悪いところを見せたくなくて・・・何となくだが、納得できた。
「俺、ドイツと付き合ってから、一回浮気したことあるの。
男と寝ちゃってさ。
ドイツ無茶苦茶怒ったなぁ。
えっとぉ〜2週間?1ヶ月?くらいねぇ、
外に出して貰えなくて、
部屋からも出して貰えなくて。
殴られたことも何回かあったし、
セックスだってほとんどレイプみたいにされてたし。
怖かったよ。
でもさぁ、カッコ悪いでしょ?
フランス兄ちゃんならそんなことしないよ。
もっとスマートに追い詰める方法を知ってるもん。
だからね、
それ考えたら、こんなになるまで俺のこと好きなんだ〜、って思ったら、
何か可愛くなっちゃって。
それから泣くのやめたの。
睨むのもやめて、
部屋に帰ってきたら、おかえり、って言ってあげることにしたの。
そしたら家に帰れたよ。
今でもドイツとはラブラブだし、
俺たち正反対だからよくぶつかるけど、
それはそれでいいかな、って思うの」
意外だった。
にこにこ笑って、天真爛漫で、
苦労などしたことがないと思っていたイタリアが、
なかなかにハードな恋をしていたこと。
クラウツの行動には納得できる。
俺も同じような行動をするかもしれない・・・
俺が目指している恋人の関係とは、とかけ離れているが。
だがそれを受け入れるようなことは、なかなかできないことだ。
相手は、
変態で容赦がなく冷酷でしかも嫉妬に狂った、
悪魔のような、いや違うな、魔王なのに。
「・・・恋人を殴るなんて、見下げ果てた奴だな」
「普段はそんなこと絶対しないから大丈夫だよぉ。
あの時はドイツ、ほんっとにテンパってたから。
笑っちゃうよね!」
「・・・誰が笑っちゃう、んだ?イタリア?」
「わぎゃあああぁドイツ痛い痛い痛い!!」
イタリアの背後からドイツが怒った、
いつも通りの顔をしてイタリアにヘッドロックをかける。
これだけ暴力的なのに"普段はそんなことしない"のか?
ドイツとイタリアが何か言い合っている間に、
日本が笑いながら俺の隣に座った。
あぁ、清楚な笑顔。
胸の高鳴りを抑えられそうにない。
「すみません、家主が家を留守にするべきではありませんでした。
しかしイギリスさんがイタリアくんとお喋りするなんて珍しいですね。
何のお話だったのですか?」
「・・・お、・・・く、くだらないことだ。
おい、イタリア!」
「ヴェ?な〜に?」
さっきまで見慣れた怒った顔だったのに、
いつの間にかイタリアを胸に抱いてデレ顔のクラウツ、情けねぇ顔。
「何だ貴様は・・・何をしに来た、よく家に入れたな」
イタリアが返事をして、こっちを向いた途端、
険しい表情で俺を睨み付けてきた。
「うるせぇ、話に入ってくるな」
「おかしいな・・・
イギリス・アメリカ侵入防止センサーの感度が弱まっているのか?
家に近づいたら焼き殺すようにプログラムしたんだが。
せっかくだ、テストさせろ」
「てて、てめぇ!!ふざけんな死ぬじゃねぇか!!」
「ふふふっ、ドイツさんその冗談面白すぎます」
日本が隣で、袖で口元を隠し笑う。
何だ、イタリアが爆笑してるのはバカだからしょうがないが日本まで笑うことないだろ、
おかしいだろ!?
「に、日本?」
「イギリスさん、ナイスリアクションです!
リアクション芸人を目指せます!」
「ね〜目指せるね〜!
ドイツがボケでイギリスがツッコミね、
イギリスツッコミなのにドイツに殴られてばっかりなの!」
「おいおい、それはイギリスの命が幾つあっても足りないだろう」
俺がオロオロしているうちに、枢軸3人組で笑いあってやがる、
俺は完全に蚊帳の外。
ムカついた。
「おいバカ共!!聞け!!」
「バカだと?」
「それって私も入るんですか?酷いです、イギリスさん」
ドイツと日本が、一気に冷たい目を俺に向けてくる、
畜生、負けるものか。
「・・・イタリア。お前がドイツの気に入っているところはどこだ」
「えぇ〜?本人の前で言うのぉ〜?そうだなぁ・・・
おでこ?
ん〜、青い目?
背が高いとこ、
え〜決められないよぉ!」
あぁ、これはモテるなぁ。
このイタリアの可愛さに、
イタリアは可愛い。
そしてバカだ。
ドイツがやることにはみんな賛成、何でもかんでも一緒で、犬みたいな奴。
何故日本の家にいるのか、
ドイツと日本はどこに行ったのか、
にこにこ笑いながら全て話してくれた。
暖かな湯気の上がる、春野菜のパスタ。
小さな蕾が出た菜の花がポイントだとか言っていた。
「シロショーユがポイントなの、ショーユなのに色が付いてないなんて変わってるでしょ?
パプリカとかの色を壊さないってところがまたポイント高いよね♪」
シロショーユ。
ショーユにはこんな似ても似つかないものもあるのか。
あまりにも、いつか日本が食べさせてくれた煮物のイメージとかけ離れていて、
しかし味はどことなく同じで。俺は驚いた。
「ねぇ、おいしいとかおいしくないとか言ってよぉ。
イギリスってドイツ以上に愛想ないよね!」
目の前でその様子を再現しているようで、
身ぶり手振りと声真似を合わせ、ドイツのマネをしている。
「もっとおいしいって言ったりしないと、
日本争奪戦に勝機は見えないよイギリス。
アメリカなんて、すっごいほめてくれるんだから。」
うるせぇ、バカ。俺は見返りのない投資はしねぇんだよ。
何となく、あいつがイタリアのパスタをうまいうまい言うところが想像できた。
「一言多いんだよこの万年能天気・・・
なぁ、俺と日本は、恋人同士に見えるか?」
「ぜんっぜん!
でも日本って流されやすいところあるから、
押し倒してヤっちゃえば意外にイケるんじゃない?」
あまりに率直過ぎる答えで、俺は少し傷つく。
・・・トルコあたりがイタリアに同じ質問をしていたら、yesと答えただろうか。
・・・思い出したら腹立ってきた。
「俺はそういう強制するようなことは嫌なんだよ。
・・・お前はどうだ?ドイツが恋人で、幸せか?」
「え〜っノロケ話させちゃう〜?俺長いよぉ?」
「いいから話せよ」
照れて笑う、フォークを置いて、上目遣いに俺を見る。
だがその目の中には、ドイツが写っているんだろう、
羨ましいと思わなかったことは、はっきり言って、ない。
悔しいが。
「幸せだよ。ドイツが傍にいてくれるから、俺こうしていられるの。
ドイツが俺のこと、抱き締めててくれるから、俺フラフラしないで済むの。
ドイツってね、すっごい独占欲強くて束縛野郎なの。思い込み激しいし、変態だしね。
でね、アメリカに負けないくらいカッコつけマンなんだよ。
だって俺には、カッコ悪いところ絶対に見せたがらないもん。
あ、ドイツはこんなこと言わないよ?俺と・・・もしかしたら日本は判ってるかもね」
アメリカみたいなカッコつけマン、という言い方があまりにもおかしくて、俺は笑ってしまった。
あのすました、ロボットみたいなクラウツジャガイモ野郎が?
そんなに人間くさいところがあるのか?
俺には血も涙もない冷血野郎にしか見えないがな。
イタリアにカッコ悪いところを見せたくなくて・・・何となくだが、納得できた。
「俺、ドイツと付き合ってから、一回浮気したことあるの。
男と寝ちゃってさ。
ドイツ無茶苦茶怒ったなぁ。
えっとぉ〜2週間?1ヶ月?くらいねぇ、
外に出して貰えなくて、
部屋からも出して貰えなくて。
殴られたことも何回かあったし、
セックスだってほとんどレイプみたいにされてたし。
怖かったよ。
でもさぁ、カッコ悪いでしょ?
フランス兄ちゃんならそんなことしないよ。
もっとスマートに追い詰める方法を知ってるもん。
だからね、
それ考えたら、こんなになるまで俺のこと好きなんだ〜、って思ったら、
何か可愛くなっちゃって。
それから泣くのやめたの。
睨むのもやめて、
部屋に帰ってきたら、おかえり、って言ってあげることにしたの。
そしたら家に帰れたよ。
今でもドイツとはラブラブだし、
俺たち正反対だからよくぶつかるけど、
それはそれでいいかな、って思うの」
意外だった。
にこにこ笑って、天真爛漫で、
苦労などしたことがないと思っていたイタリアが、
なかなかにハードな恋をしていたこと。
クラウツの行動には納得できる。
俺も同じような行動をするかもしれない・・・
俺が目指している恋人の関係とは、とかけ離れているが。
だがそれを受け入れるようなことは、なかなかできないことだ。
相手は、
変態で容赦がなく冷酷でしかも嫉妬に狂った、
悪魔のような、いや違うな、魔王なのに。
「・・・恋人を殴るなんて、見下げ果てた奴だな」
「普段はそんなこと絶対しないから大丈夫だよぉ。
あの時はドイツ、ほんっとにテンパってたから。
笑っちゃうよね!」
「・・・誰が笑っちゃう、んだ?イタリア?」
「わぎゃあああぁドイツ痛い痛い痛い!!」
イタリアの背後からドイツが怒った、
いつも通りの顔をしてイタリアにヘッドロックをかける。
これだけ暴力的なのに"普段はそんなことしない"のか?
ドイツとイタリアが何か言い合っている間に、
日本が笑いながら俺の隣に座った。
あぁ、清楚な笑顔。
胸の高鳴りを抑えられそうにない。
「すみません、家主が家を留守にするべきではありませんでした。
しかしイギリスさんがイタリアくんとお喋りするなんて珍しいですね。
何のお話だったのですか?」
「・・・お、・・・く、くだらないことだ。
おい、イタリア!」
「ヴェ?な〜に?」
さっきまで見慣れた怒った顔だったのに、
いつの間にかイタリアを胸に抱いてデレ顔のクラウツ、情けねぇ顔。
「何だ貴様は・・・何をしに来た、よく家に入れたな」
イタリアが返事をして、こっちを向いた途端、
険しい表情で俺を睨み付けてきた。
「うるせぇ、話に入ってくるな」
「おかしいな・・・
イギリス・アメリカ侵入防止センサーの感度が弱まっているのか?
家に近づいたら焼き殺すようにプログラムしたんだが。
せっかくだ、テストさせろ」
「てて、てめぇ!!ふざけんな死ぬじゃねぇか!!」
「ふふふっ、ドイツさんその冗談面白すぎます」
日本が隣で、袖で口元を隠し笑う。
何だ、イタリアが爆笑してるのはバカだからしょうがないが日本まで笑うことないだろ、
おかしいだろ!?
「に、日本?」
「イギリスさん、ナイスリアクションです!
リアクション芸人を目指せます!」
「ね〜目指せるね〜!
ドイツがボケでイギリスがツッコミね、
イギリスツッコミなのにドイツに殴られてばっかりなの!」
「おいおい、それはイギリスの命が幾つあっても足りないだろう」
俺がオロオロしているうちに、枢軸3人組で笑いあってやがる、
俺は完全に蚊帳の外。
ムカついた。
「おいバカ共!!聞け!!」
「バカだと?」
「それって私も入るんですか?酷いです、イギリスさん」
ドイツと日本が、一気に冷たい目を俺に向けてくる、
畜生、負けるものか。
「・・・イタリア。お前がドイツの気に入っているところはどこだ」
「えぇ〜?本人の前で言うのぉ〜?そうだなぁ・・・
おでこ?
ん〜、青い目?
背が高いとこ、
え〜決められないよぉ!」
あぁ、これはモテるなぁ。
このイタリアの可愛さに、