延距離恋愛
ドイツはメロメロ・・・そう、メロメロなんだ。
日本が隣で、ドイツの顔を見て笑っている。
俺がそう思ったころ、
イタリアが俯き加減だった顔を上げて、
「ちょっと強引で傲慢だけどやっぱり抜けてるところ!」
と、声を張り上げて宣言した。
ドイツの、ぽかんとした顔。
フランスに見せたら大爆笑するだろうな。
「い、イタリア?
俺はそんなに、強引にお前を、
あの、引っ張っていったりしただろうか?
お、俺はそんなに傲慢か?
大体、抜けてる、って・・・」
すぐに慌て出したドイツはイタリアの肩を抱いて確認しようとする、
人間は自分の性格を判っているようで判っていないため、
恋人に意外なことを言われて驚くのだ。
「気分が悪いとすぐレイプするし、
酷くした癖にその後は一生懸命謝ったりして。
あ、あとね俺知ってるんだよドイツ俺のとうさ「ななな何を言い出すんだ!!」
ドイツがものすごく焦った顔をして、何か言いかけたイタリアの口を塞ぐ。
イタリアは何を話しかけたんだ?
「おい、最後の部分聞こえなかったぞ。
イタリアの何、だ?そんなに焦るような内容なのか?」
俺が首を傾げると、
日本とイタリアが耐えきれないように笑いだし、ドイツが安心したように溜め息をついた。
「え?え、何なんだよ?教えろよ!!」
「ぷっ、くくく・・・いいんですイギリスさん、
イギリスさんはそのままでいてください。
こんなアホな話を知る必要はありませんよ。」
日本にはぐらかされて、俺は真相を知ることが出来なかった。
何だか、ただ仲のいい3人とバカップルを見せつけられたようで。
妙に虚しい気分になってしまった。
「イギリスさん、今日はお泊まりになられますでしょう?
あ、心配はありませんよ、あの二人は家に返しますから」
にこにこ笑う日本とイタリアは全然違うことを再認識し、
改めて俺には、日本と恋仲になるために、
倒すべき邪魔者が多いことを知った。