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第三部12(112) Messiah 2

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「今回は抜粋だし、抜粋箇所はまあ、練習に顔出してるから分かってるとは思うが、ゼバスで昔やった時と一緒だ」

「オーケー」

「まぁ、ソプラノの見せ場は、二つ入るアリアとアルトとの二重唱だな。よし、すまんがソプラノの出る部分だけ重点的にやってもいいか?」

急な代役に決まったユリウスのために一時間前倒しでリハーサルが開始された。

「じゃあまず、【喜べシオンの娘よ】から」

アレクセイが指揮台に立って右手を上げる。

ヴァイオリンとオルガンの前奏に乗ってユリウスが歌い出す。

「rejoice rejoice rejoice my greatly」

澄んだソプラノが会場の礼拝堂に響き渡る。

「…comethunt thy」

歌い終わったユリウスにオケ、合唱、ソリスト、その場にいた者全てから感嘆と拍手が起こる。

「ブラヴィッシマ!素晴らしい」

「美人で美声…。天は二物も三物もお与えになるものなのね」

「まさに天使降臨だ」

皆の賞賛にユリウスが顔を赤らめた。